恐るべき数字
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そろそろ日付が変わろうとしているこの時に、カルデラは息を切らしながらアンティーヌ城の
そして目的の場所に到着するとカルデラは
そして「カルデラです。入室してもよろしいでしょうか?」と、アマンの部屋の前でノックをして
「どうぞ。お入りなさい。」と程なくして返答が返ってくる。
「失礼いたします。」
そう言ってカルデラはゆっくりと扉を開け、入室する。
カルデラはアマンの部屋に入ると、まず深々と頭を下げる。
「本日、ケージ送りになった平民の
カルデラは任されていた仕事の報告を行う。
「そうですか。では報告をお願いします。」
アマンは髪の手入れでもしているのだろうか?カルデラには
「はい。本日ケージ送りになった平民の数は282万2116人です。」
本来であれば驚くほど多い数字と
300万人に
しかしアマンは驚くどころか、顔をにやけさせる。
「そうですか。残りの平民はあとどれくらいですか?」
「現在こちらが
「ふふふ。これならばあと2年もあれば平民は
悪人と呼ぶにふさわしい笑みを浮かべるアマンはやはり平民を1人残らずケージ内に送ろうとしているのだろう。
「カルデラ。昼間話した予定通り明日から
「
カルデラはアマンの命令に対し一切の疑問を持たず、忠実に実行する。
カルデラの心の中では疑問だらけなのかもしれない。しかしそんな事を口にすれば自分の立場が
現在この帝国で皇帝に
それを充分に分かっているからこそ、カルデラは何も言わず、機械の様に
「報告ご苦労様です。あなたも今日はお疲れでしょう。ゆっくり休んで明日に
アマンからのねぎらいの言葉を受けると、カルデラは
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きます。何かご
「えぇ、分かりました。早くお休みなさい。」
アマンは
「軍神ファービスの部下も今では忠実な私の僕。ふふふ。人と言うものは実に面白い。」
アマンは1人自室であくどい笑みを浮かべながら髪の毛の手入れを行っていた。
*
「今日だけで約282万人がケージ送りになったそうですよ?」
ザヒールは皇帝の自室の
もちろん皇帝に対してだ。
「分かっている。」
皇帝は少し
「どうやら今年も
皇帝に対し
この言葉に皇帝は
「それはそうと…陛下?下民を追いやるのはいいとしてもなぜ生かしておく必要があるのです?」
「いずれ時期が来たらケージにいる人間は皆殺しにするつもりだ。ケージとて大切な我が国の領土からな。」
恐ろしい会話が繰り広げられているが、アマンでさえ疑問に思っていたケージ内の人間を生かしておくと言う発想はどうやら皇帝の
「私としては
そう言いながらザヒールは持っていたティーカップを口元まで運び、ゆっくりと紅茶をすする。
「どの口が言っているんだ?貴様は今まで何度も口を
ザヒールの言葉にさすがに黙っていることが出来なかったのだろうか、皇帝は少し
「口は
ザヒールの言う主と言うのはアヴァンワールの
そのことに関しては皇帝も分かってはいるが、それ以上の詳しい事は皇帝本人もよく分からないでいると言うのが正しいだろう。
ザヒールは単なる
これに逆らえば、いくら一国の王だとしてもただでは済まないだろう。
元より皇帝としては7年前のクーデターの際に力を借りた
「そうであったな。いつの日かそなたの主に会えるのを楽しみにしているぞ。」
皇帝は
皇帝の言葉を聞いたザヒールはにっこりと笑い、「その言葉を聞けば我が主も
皇帝であっても決して逆らう事が許されない存在。それこそがザヒールなのである。
ザヒールがご
没落貴族の下剋上 新哺乳類 @shin-honyu-rui
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