第82話『サキュバスとの死闘』
離陸出来なかったグラウス達は、空中戦を選択しました。
アグニがイグナ・フーを放ち、パーピーの群れを攻撃します。
魔法は数匹のハーピーを巻き込み、撃ち落していきます。
「どう、私の実力は?」
アグニはしたり顔を一同に向けました。
「凄いぞ、アグニ。だがまだ群れが仰山残っている。あいつらを何とかせねばならんきに」
リョウマは得意の二丁拳銃でパーピー達を地道に倒していきました。
「敵が多いわね。それならこれでも食らいなさいっ荒れ狂う漆黒の
アグニはハーピーの群れの周囲に非常に激しい針の雨を降らせ、一網打尽にしました。
「よし、よくやったぞ、アグニ。後はサキュバスだけだ」
サキュバスのレベルは436。ペミスエ相手に戦闘経験を積んだ今のグラウス達なら、臆せずに戦える相手です。
「もう一度、イグナ・ネオメガ・エル・グレーテルッ」
アグニの降らせた針の雨を、サキュバスは自慢の黒い翼で巧みに交わすと、リョウマ目掛けて突進してきました。
「おりょうの加護っ」
リョウマはおりょうの加護を使い、サキュバスの強靭な爪の一撃を防ぎます。
「自ら近づいてくるとは、死にに来る様な物だな」
ゼントは絨毯から飛び上がり、サキュバスの背中に移りました。
「ぐっ・・・人間めっ私から、離れろっ」
自分の背中に乗ってきたゼントを振るい落とそうと、サキュバスは四方八方に飛びます。しかしゼントはサキュバスの背びれをガッチリと掴んでおり、落とされることはありませんでした。
「面倒だ、そろそろくたばれっ」
ゼントは空中を凄まじい速さで飛行するサキュバスの頭部に近づいていき、そして木刀を後頭部に突き刺しました。
するとサキュバスは悲鳴を上げ、ゼント諸共地面へと墜落していったのです。
「ゼントーーーーッ」
グラウスは絨毯を斜めに滑空させて、サキュバスから離れた彼を無事拾いました。
「ゼント、無茶したらいかんぜよ~」
「そうよ、危ないですわっ」
リョウマとアグニがゼントの行動を咎めましたが、彼は気にせず、再び絨毯に横になります。
「ふう・・・何とか終わったみたい」
「空なら怪物に遭遇しないと思ったんだがな」
グラウスは少しガックリした様子で言います。
「もっと高度を上げるぜよ。そうすれば、パーピーやサキュバスの群れも避けることができるきに」
「そうだな、よし、高度を上げるぞっ皆、絨毯にしがみついてくれっ」
グラウスは豊富な魔力で絨毯の高度を上げていきました。
「よし、戦闘もひと段落したし、ウチはちょっとパパイヤンにいってくるきに。直戻るからな」
そう言うと、リョウマは絨毯の中央に取り付けられたオブリビオンを通って、パパイヤンへと戻っていきました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます