プロローグ:あらすじと後書き

 主人公のアグニ・シャマナは世界でも有数の富豪の一人、モントーヤ家の令嬢として世に生を受ける。しかし彼女は胎児のときに天界の戦に破れて人間界に落ち延びた神、タタラカガミに取り憑かれ、炎と雷に包まれて生まれてきた。その結果、アグニを産んだ直後に母親はホトを焼かれて死んでしまう。執事達は忌み子だから殺すよう父モントーヤを説得するが、モントーヤは彼女を見捨てず育てる事を決める。

 

 そして親や周囲の者達の愛を一心に受けて育ったアグニだったが、タタラカガミの悪影響が性格に現れ、悪役令嬢と化し、家来たちに悪態を吐き、大工達を実験台に鞭打ち、高温ローソクを垂らすなど、傍若無人な振る舞いを行い、悪食となり、執事や父親を度々困らせてしまう。そして少女は神の影響により、世界で唯一レベルアップが可能という特質を備えていた。


 アグニが16歳になったとき、ついにモントーヤは決意する。アグニをレベル限界突破の方法を探しつつ違法な研究をして国を追放された賢者に会うため、ガレリア王国に逗留をしていた高名なエクソシスト、グラウス・アルテナに執事を通して除霊の依頼を頼むことにしたが、やってきたグラウスにも手の施しようがなかった。


 グラウスはアグニをモントーヤ領の眠りの森に住んでいる大賢者の幼女、ピエタ・マリアッティに見てもらう。その結果、アグニの体内にタタラカガミが宿っている事、ここままでは身の破滅を起こす事を知る。事実を知ったアグニとモントーヤは深く悲しむが、生に執着心のあるアグニは唯一の希望である自らに取り付いた神を主神として奉る国、日ノ本へ行くために旅をする決意をする。

 こうしてアグニはグラウス、ピエタ、そしてピエタの従者のペロッティと共にモントーヤ邸を離れ、馬車で壮大な冒険の旅に出る事になった。


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あとがきと今後の展開の軽いネタバレ


作者は古事記や日本神話・他神話の類が好きで、どうしても神話の絡むファンタジーを書いてみたいとずっと思っていました。

そしてこの度ようやく自分の悲願を成就させるときがやってきました。

日本神話に出てくる神様で特に好きなのが、スサノオノミコトです。

まだ当分先の話ですが、この悪役令嬢だけがレベルアップできるRPGの作中にも、スサノオは登場します。

それも非常にショッキングな形で出てきます。スサノオは武の神なのでかなりヤバイお方です。作中でもっともエグイ展開かもしれません。

果たしてその注目のスサノオ様は、アグニ達とどう関わるのか? 戦う運命なのか? それとも味方になってくれるのか? 


そもそも出会えるのか????


一体どのように出てくるか。どう物語に関わってくるのか? 登場は大分先になりますが、この先の展開にご期待下さい。

また、今後間もなく登場する新キャラの名前で、日本神話や歴史に多少詳しい人なら「はっ・・・」と大よその展開が察し出来るかと思います。

そういう風に書いてますので、ご安心してください。ちゃんと物語には捻りを加えてあります。


また、この作品は「家族愛」が大きなテーマになっています。作者が最近一番拘っているテーマです。

RPGということでゲーム的な設定もありつつ、王道の冒険しつつ、エグイエピソードありつつ、特に日本神話が濃密に絡む、そういう作品にしようと考えています。


この作品がきっかけで、日本神話が好きになってくれる人が増えてくれると嬉しいです。

これからも鋭意更新していく予定ですので、皆さんどうぞ末永くお付き合い下さい。


余談ですが、作者の別作品『気になる牧野さん』も読んでいただけると嬉しいです。

こちらも『家族愛』が大きなテーマの一つになっていますので。


では、では。

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