第10話プロローグ:対決
森の怪物のレベルは67。レベル70のグラウスにとっては相手に不足なしといった様子の敵でした。怪物はレベルの高いグラウスを警戒し、レベルの低いアグニを狙って突進してきました。
「しまった、アグニ、避けろ」
グラウスの声に反応したアグニは華麗に宙を舞い、怪物の突進を交わします。そして両手に炎を纏わせ、火球を作ると、その火の玉を怪物に投げつけました。
「燃え尽きなさい!! イグナグラムスッ」
魔法にもレベルの概念があります。タタラカガミを体内に宿しているアグニの魔法の威力のレベルは70をゆうに超えていました。そして怪物の背中に直撃した火球は怪物の全身を焼き尽くしたのです。
大地に華麗に足を降ろしたアグニは、
「ざまあみなさい」
と可愛げのない捨て台詞を吐きました。
「あの威力・・・やはりアグニの体内に巣食っているのは相当な存在」
そう呟きつつ、安堵の表情をグラウスは見せました。ところが、火炎が消えても怪物は燃え尽きることなく、寧ろいきり立ち、油断していたアグニを右腕で掴みました。
「きゃああ」
「くっそ」
グラウスは急いで両手で印を結ぶと、地面に両手を押し付けました。
「我を焼くとは不届き者め、食らってくれるわ」
捉えたアグニの頭部が、今まさに怪物に食われようとしたその時、怪物の背中を地面から伸びてきた鋭い土の塊が貫きました。そして怪物の体は土に包まれて固まってしまいました。アグニは地面に落ち、腰に手を置きました。
「イグナアースレインだ。間に合ったようだな」
こうして、戦闘はグラウス達の勝利に終わりました。
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