第7話

マヒロが帰り支度を終え、

俺の事をデスクの前で待っていた時だ。

マヒロに異変が起きた。


「気持ち悪い...」


「シンジ、どうしよう気持ち悪い...」


顔色悪く、俺の前で机に突っ伏し、項垂れ出したのだ。


「だ、大丈夫なのかよ!」


「多分...寝れば大丈夫だと思う...」


「疲れてるときに、飲み過ぎたのとかいけないよな...」


俺はタクシーを呼び、車内でマヒロにおまえ、今どこに住んでんだよ?と尋ねた。


そしたら、どうだ。


「〇〇マンション。部屋番は504号室...」


「え?504?」


「そう504」


「俺の住む部屋、505のすぐ隣じゃねぇか...」


「つい、先日まで空室だったのに...」


やがて。


マヒロの部屋に着く。

てか、俺の住んでる部屋のすぐ隣。

姫抱っこされてるマヒロは鍵を俺に渡し、開けてくれない?

と弱弱しく言った。


「お、おう...」


ガチャリ。


部屋の中はやたらと整理整頓されてて。

俺は感心した。


「寝室に連れてってよ...」


マヒロに言われ、俺は頷く。


「お、おう...」


ベッドの上に、マヒロを寝かすと、


「じゃ、俺はこれで」と

すぐ隣の部屋に行こうとした。


しかし。


俺のスーツの裾は。


マヒロのか細い左手よって、掴まれ、

俺は思わず前のめりになった。


「介抱しなさいよ..シンジ」


「え...」


「私、気持ち悪いのよ。

具合が悪いの。いた何時、容態が急変するかわからないのよ?」


「えーと、つまり、俺にどうしろと?」


「ここで、寝て」


「ええー」


その言葉に。俺は突っ込んで聞いた。


「おまえさ、ひょっとしてひょっとすると、

俺のこと、未練だらだらなんじゃねぇのか?」


「.......かもしんないし、そうじゃないかもしれない」


その切り返しのセリフに。


俺は少し、悪戯心がふつふつと湧いてきて。


「俺のこと、好きって言えよ。

そしたら、今晩、一緒に寝てやってもいいぜ」


と決めてみた。



するとどうだろう。


マヒロときたら、


顔真っ赤にして。



「す、すき???」



イントネーションはややおかしかったが、

俺はマヒロと一緒に寝た。


一旦、自分の部屋に戻り、シャワーを浴びてパジャマに着替えてマヒロの部屋に戻って来た。


そして。


ベッドの上に横たわった。すぐ隣にはマヒロ。


マヒロときたら、滅茶苦茶デレてきて。



これ、ヤンデレじゃね?

まぁ、でも、悪くねぇなあなんて思いながら、

俺はマヒロのこと。

一晩中、

抱き枕にしてしまったんだな。



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元カノな幼馴染と喧嘩別れしたんだが、 何故、おまえは俺の会社に入社した?しかも 同じ部署で美人上司との甘々の仲を邪魔してくるとか、ひょっとしてひょっとすると 俺のこと未練ダラダラなのでは? 雲川はるさめ @yukibounokeitai

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