3-2 『女神』と言う存在

「『女神』は、生まれた時から『女神』なんでしたっけ」

『そうなのよ。ナチュラルボーンゴッデス』


 誰かが言っていた、『女神』と名乗る上位存在は、ある日突然発生したと。

 世界を管理する存在。均衡を保つために監視をする。

 その為に存在し、生きていく世界の理の外に立つ存在。


 あくまで仮説であるが、『女神』とは世界そのものが自分を管理するための外部装置を生み出したのではないかと思う。


 『女神』は世界を管理する。時に生命に干渉してバランスを調整し、世界がより長く存在し続けるようにする。

 けれど、自我を持った生命は時に暴走して世界を内側から破壊してしまう。『女神』はその際に外部から勇者を送り込んだり、様々な対策を行う。

 それでも、世界の崩壊を止められないこともある。

 その場合は、世界をゼロから作り直す――生構築を行う必要がある。そのスイッチを押すために、『女神』は存在する。


『なーんか、上の空じゃない」

「すみません。ちょっと考え事していて」

『なによー、女神の話ばかりに話をさせておいて。罰としてエイキチの話をするのだわ』

「あんまり面白くないですよ。ごく普通の異能力者ですから」

『いや、異能の力を持っている段階で普通じゃないのだわ』


 あ、珍しく女神様にツッコまれた。


『それに、落ち着きすぎているのだわ。エイキチ程の力を持っていたら、もっと浮わついててもおかしくはないのに。なんか落ち着きすぎてるのよね』

「それはまあ、両親のおかげです」

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