第4話データという名の過去

地球とエンセラダスの歴史、事件や全ての住民の膨大なデータが収まるファイルを管理する地球連邦政府直轄のデータセンターの前に一台の車が止まる。車と一言で言ってしまうには余りにも現実との間に乖離がある。車の形をした戦闘機、殺戮機械。常人をはるかに上回る体力のマイルをしてもライオットコブラの運転は極度の緊張と体力を要求する重労働で彼も既にオールアウトだった。その足取りが重い。幾ら機械化が進んで煩わしい手間が省かれたとはいえ杓子定規なお役所はお役所である。機械化が一層進んだ今では彼の押出の強さも機械には通用しない。『お通し出来ません。認証コードを入力して下さい」「何だと、じゃあ一体何のための生体認証だ」「クローン対策ですご了承下さい。このシステムが稼働した当時より生物クローンの技術が向上して偽装兵の侵入を許し、認証ミスが少なからず確認されています。アップデートまでの辛抱です。しばらくご容赦ください対策措置を上回る速度での予想外の技術向上で当局も手を焼いているのです。事情をお察し下さい」

「実際の月齢に無関係なニュー・ムーンを拝みてえかこのやろう」「ニュー・ムーンとは、月の満ち欠けで言えば何も出ていない状態ですので拝み様がありません」「つべこべ抜かすなこの野郎。土手っ腹に風穴が開くってえ意味だ憶えとけこのうすのろが」「っとと短気はおやめ下さい。この施設及び機器の破損はあなたの報酬から後日差し引かれます」「それと私はここの門番でもありますのでこのままではあなたを不審者として排斥しなければなりません警備の兵を呼ぶ前にお手続をお願いします」「因みにカモフラージュナイフ、つまり貴方方と当施設の警備兵アイボリーナイフは貴方方みたいな職業軍人じゃないマーセナリーで構成されている。。つまり傭兵ということです。セキュリティ上のコスト増にば、もうお分かりですね」「敵じゃねえ、できる限り手加減はするさ。お前の言う通りこちとらプロなんでな」「お手柔らかにお願いします」

「やれやれこれだからお役所仕事ってのは困るぜ「登録ナンバーコードネームの順にお願いします。手が塞がっている場合音声入力も可能です。それではどうぞ」「ZL900A1] [コードネームエリミネーター」「認証に成功しました。どうぞお通り下さい

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