第2話

アンサー。確かに「あおいだいち」と聞いて地球を思い浮かべる人は多いと思いますよ。青井大地君と言う同級生がいた方なら仕方ないかも知れないけれど、その人だってきっと彼の寝癖のついた髪だとか、一緒に運動場を走った時に嗅いだ砂埃の匂いなんてのを思い出しながらも結局は地球の事を想像するのではないかな? 安易ではないにしても、親につけられた名前について、大きなものを抱えてしまった彼が見せない悲しみまで含めて。


で、何が言いたいの? とすぐに聞きたがるのは悪い癖です。確認作業が互いの信頼を積み上げられると思ったら大間違いですよ。どちらにしても私は僕の事をひとつも信用していないし、確信に近いレベルでおそらくこれからも信頼することはないと思っています。


たとえば、うん、死ぬ時くらいだと思います。んー、死ぬ時は言い過ぎたかな。年老いてゆく過程で少しずつわかりあえることがあればよいですね。ふれているようでふれていないし、みているようでみえていないし、どうせならこのままのほうが私には深みを堪能できる予定なので。

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