火球考察って短編に出てくる2人のその後のお話です。
2人の微笑ましい、時に甘酸っぱすぎて、お尻がムズムズする会話を主軸に物語は展開していくのですが、
時に、その昔に通ってきた、自分の学生時代の恋愛を思い出したり、
時に、その昔、この物語の主人公のような男の子と出会ってれば、こんな風な気持ちになれたのかと、羨ましく思ったり……。
感情を感じるのであろう体の中心部分が柔らかくて甘い、マシュマロにでもなったような気分にさせられました。
学生である、主人公2人が、時に小難しく議論を交わし合いますが、どのお話も最終的に、ふふっと笑いが溢れて、幸せな気分に着地します。
そうして、話が進むごとに2人の関係性が進んでいくのが、とても心地の良い読後感を連れてきてくれます。
今後も、2人のことを見守りたい気分にさせてくれる物語です。
あまりにも有名な台詞が無敵の論破兵器となって以来、考える葦は、感じる葦に苦戦中です。
特に青春時代がいけません。
戦いは数です、お兄様。閑話休題。
考えることが悪いのではなく、否定方向に考えることが微妙なのです。
肯定方向に考えることは、エンターテインメントたり得るのです。
そんな本作です。
主人公の広斗くんとヒロインの凪海ちゃんは、清く正しくおつき合いしながら、いろいろなことをキャッキャ・ウフフと肯定方向に考えます。
リア充爆発しろ。閑話休題。
二人は考えながら、「楽しい」「おもしろい」「好き」を感じます。
読者も一緒に、「楽しい」「おもしろい」「好き」を感じられます。
それは人として自然なこと、考える葦なのですから。
でも葦ってどんな植物なんでしょう。
実はよく知りません。閑話休題。
考えること、感じることは、対立しません。
「楽しく」読んで「おもしろく」考えながら「好き」を感じる、それはとても素敵な時間だと思います。