中山伸久 4


 鑑定書に書いてある内容を、未だに信じることができなかった。

 「生物学的親子ではないと鑑定する。」とはなんて冷たい表現だろう。

 これでもうはっきりしてしまった。俺は中山ではない。中山伸久ではなかった。

 隣を見ると、母が泣いていた。その泣いている母の肩を父が優しくさすっている。いや、元父、元母か?それとも、もう赤の他人なのか?

 この先はどうなってしまうのだろう。俺はもう、この家に居ることができなくなってしまうのか?ありとあらゆる不安に押し潰されそうになる。

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