第3杯 な に こ れ
[前回までのあらすじ]前回、無味無臭の謎のアブラヤサイサラダを提供された私(無職)は、あまりの衝撃に店そのものを疑うこととなった。こんな謎の物体、きょうびそこらの部族でも出すことはないだろう。そんななか、さらに私を待ち受ける二郎の洗礼とは…
---ラーメンとは一体なんだろうか? こんな糞みたいな問いを普段から考えることはないだろうが、当時の自分(無職)は本気で思案したものである。
では、自分の目の前にあるものは…?
しかし、まだヤサイ(断じて野菜ではない)しか食べ終わっていないではないか。
きっと麺は違うのだろう。いや、そうであって欲しい。
……。なんだこれは…。なんだろうかこの食感。例えるならばそう、お湯を入れて1分で食べるカップうどんではないか。固すぎる。これは果たしてうまいのか?
ここで周りを見る。
やはり大量の二郎、もとい豚どもはうまそうに啜っている。そう、つまりこの異常な油分と麺の硬さこそがこの店の通常であり、ジャスティスだということか。決して私がまずい料理に当たったわけではなく、単に私が豚になりきれていないのが悪いのである。
「ところ変われば品変わる」という言葉の意味を身をもって体感した次第である。
まさか国語の授業がこんな養豚場もどきで効果を発揮するとは。人生とはわからないものである。
そうか、ここは養豚場だったのか。
ならば、せっかく養豚場というのならばしっかり豚の味も吟味しなくてはならない。
ちなみにここでいう豚とは、ラーメンの上に鎮座しているチャーシューのことであり、決して客に対する蔑称でないことだけは注意していただきたい。
自分としても豚のような客を吟味することだけはお断りである。
マジキチマシマシ マシマシジロウ @246koudai
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。マジキチマシマシの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
烏有文集(うゆうぶんしゅう)2024年版/そうげん
★8 エッセイ・ノンフィクション 連載中 331話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます