第2杯 高校2年生の陰キャ、パーティ(部活)を脱退して、行き着いたのは<二郎>でした。〜異世界(埼玉)二郎、僕の能力マシマシでいいんですね?〜


 ちなみにタイトルの異世界は嘘である。


しかし舞台があの「埼玉県」なあたり、あながち間違いでもないので許して欲しい。


 さて、話を戻そう。


私が二郎への出征を知ったのは、一本の陰キャ友達からの電話がきっかけだった。


「お前、ラーメン食わない?」

この声が私を退屈な夏の日常から連れ出したのだった。


今となっては私といえば知人の間でトイレかラーメンが代名詞となっているが、はっきり言って、この当時はあまりラーメンそのものには興味があったわけではなかった。

しかし、暇なので行ってみようと思ったわけである。

 そしてラーメン当日、私は駅前で友人と待ち合わせをした。今日はその陰キャ友達の他に、例の北千住駅のkくんも来ている。私を入れてこの3人で赴くのだ。

 話によると、今回出向くのは二郎系の店らしい。


店についてみると、一軒のプレハブ小屋らしき建物があった。今回の店である。その日は平日ということもあって比較的空いていて、早く席に着くことができた。


確か自分はラーメンとうずらを注文した気がする。 

 そして待つこと数分、豚の餌、もといラーメンが運ばれてきた。

 見た目はまんま写真で見る二郎系そのものである。写真を撮り終えた私はおもむろにヤサイタワーに箸を突っ込む。



無味。


ひたすら無味である。しかし左に座っている常連らしき二郎たちは美味しそうにブヒブヒとその野菜を食らっている。


これがこの店の常識なのか…?


彼らのあの汗はなんだ…?


なんで飯を食うだけであんなに体液が出るんだ…?


というかなんであの量の野菜を摂っていてあの体型なんだ…?


と、野菜を食っただけでその店を全体的に疑った。

おかしい…何かがおかしい…。と、私は店の中で某蝶ネクタイの少年探偵の如く考えを巡らせたのだった---

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