第16話 パン屋さん
大岡山中学は、古いので
給食はなくって。
お弁当か、パン屋さんが
お昼に、校舎の西にある
小屋に、売りに来てた。
クラス単位で、朝
注文をとって
職員室に持っていくと
お昼に、それを
パン屋さんが配達してくれる。
購買は校舎の東にあって
そこでも買えるけど、すぐに
売り切れだし
なぜか上級生が先に買ってた(笑?)
当番で、たまたま
僕が当たった時
なぜか、注文が
合わなかったことがあった。
おかしいなぁ。
気にもしなかったけど。
だって、お金貰ってないんのに
パン屋さんが、どうして
配達してくるんだろう。
「サービスかな」って
しんちゃんは、おどけて。
「パン、余ってないの」とともチン。
「余ってないから不思議なんだよ」って僕が言うと
たけは「じゃ、誰かが別に注文を書いて、お金を納めてるんだよ」と、理知的な
たけらしい発言。
ま、いっか(笑)と思ってた。
AKGは、「きちんとして」って先生らしく。
面倒いなぁ(笑)と
思ってたら。
注文書の束の中に、個人で書いたものがあって。
個人で受け取ってたらしい。
その子は、よりしげ、って
陰気な感じの子だった。
普段、話した事もなかったけど
理由を尋ねたら、黙って
知らん顔してるみたい。
だったので、僕も頭に来た。
なんたって14歳だ(笑)。
返事くらいしろ!って
言ったら、泣かれた。
逃げられました(笑)。
一緒にゆうが居たんだけど
彼女も呆気(笑)。
そういう、ちょっと変わった子で
上手く話せなくて
泣いたらしい。
それを、先生も知らなくて
話すの苦手だから、
パンの注文を言葉で言えなかった、って事みたい。
でも、お友達同士なら
会話できるので
先生も気づかなかった、とか(笑)。
後で僕は、注文の用紙を
彼女に渡して「これに書いといて」ってメモした。
クラス単位なら、問題ないんだもの。
「でも、お化けかと思ったよ」なんて、ゆうは
面白い事言った。
お化けがパン屋さんに注文するかしら、って
みんなで(笑)った。
僕は、お弁当、特大サイズ(笑)
食べ盛りだもん。
なかよしグループは、大抵そうだった。
お昼になると、窓際のとこで
一緒にご飯食べた。
一応、班でまとまる事に
なってたけど、みんな適当だった。
良く見ると、男女混成なのは
僕らだけだったから
ちょっと変わってたのかもしれない。(笑)。
学校の北門のそばに
駄菓子屋さんがあって
そこでも、パンは売ってた。
だから、時々お弁当を
母が作り忘れると
そこであんパンとか、ミルクを買って
屋上で食べたりした。
もちろん、校則では
外出禁止。
だけど、悪い事でなければ
大目にみてくれた。
のどかな田舎の、
大岡山中学だった。
ほのぼの中学2年F組 深町珠 @shoofukamachi
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