もうひとつの世界

第9話

side ？

「王様！」

星香の話を盗み聞きしていた人物が叫ぶ。

王様と呼ばれたその人は、長いマントを翻して振り向く。

「なんだ、サタン。」

と、星香の話を盗み聞きしていた人物の名前を口に出した。

「実は、天界の女神の子孫が地上で生まれ変わっていたとの情報が入りました。」

と、サタンが事情を説明していく。

「なんだと？」

魔王は不機嫌そうな声を上げた

「あいつはもう倒したはずだぞ？なぜまた現れたのだ。」

魔王は納得いかないようで質問をする。

生まれ変わりだそうです。サタンが答える。

気に入らないな。魔王がつぶやく。

そうですね。サタンもつぶやく。

潰しに行くぞ、指示を出せ。魔王が不機嫌な声を上げる。

了解しました。とサタンが去っていく。

「なんであいつの生まれ変わりが……ﾁｯ」

誰もいない空間に魔王の声がこだました。

一方サタンは、部下や同僚に指示を出していた。

「雪女と、狼男は○○町で暴れろ、魔女と吸血鬼、フランケンシュタインは都市を中心に暴れろ。あいつの子孫が1人になって隙ができた瞬間全員で襲いかかる。いいな？」

「「「「「はい！」」」」」

雪女、狼男、魔女、吸血鬼、フランケンシュタインは息を揃えて返事をした。

「今度こそ俺があいつ…いや、あいつの子孫に勝ってやる。」

サタンは誰にも聞こえないような小さな声で密かに呟いた