さようなら全てのゾンビの父

公園で見知らぬ子ども達が、ゾンビの父の家と同じ家族構成でママゴトをしている。

ゾンビの父役の子どもは、無邪気に「噛ませろー」とはしゃいでいる。

ベンチでそれを見ていたゾンビの父はうつむいた。


「もう、仕方ないね」

隣に座っていた母は、ゾンビの父の腕を引き寄せると、ガブリと噛んだ。

ゾンビの父は、みるみる内に血色が戻った。

「私とゾンビ、どっちが強いと思ってるの?あなた、いつまでもウジウジしてちゃダメでしょ」

人に戻った父は、前を向き立ち上がると大きな声で「はいっ!」と応えた。


ママゴトをしていた子ども達は、その声に驚いて走って逃げた。



おわり

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父ゾンビ 塩塩塩 @s-d-i-t

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