8月18日②―――僕は彼女と同じだった。
僕は、父親に引き取られた。
父親は、母親とは真逆で子どもに対しても干渉しない人だった。
仕事が一番、子育ては母親任せのスタンスは、離婚後も変わらなかった。
「今日は遅くなるから。」
「進路か?…お前の好きなようにしろ。」
「面談は仕事で行けない。」
これが父親の口癖だった。
モンスターペアレントの母親に支配され、子育て放棄していた父親とは心の距離が遠のき、僕は段々と現実世界から離れていった気がした。
もちろん、学校にはちゃんと行くし、色々と話せる友人もいる。
それでもどこかで、「僕はこれからなんとなく生きるのか」という思いが強まっていった。
目立ちたい訳でも、いい成績を取りたい訳でもない。
ただ僕は、「生きる楽しさ」を欲していた。
――――自由になって、生きる楽しさを感じたかった。
そんな時、僕は佐藤と出会ったんだ。
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