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彼はきっと、私との約束事を守ってくれる。
なぜか私は、彼を見た時からそう感じていた。
いわゆる陰キャで、コミュ障で、本当に仲の良い人としか話さない彼は、
どこか自分を突き通しているように見えた。
それが眩しいほどに羨ましかった。
私はもう、そういう生き方はできないのかもしれない。
…そう思った8月1日、私は学校の屋上へ向かった。
彼が止めてくれたことは、本当に偶然だった。
―――いや、今考えれば、必然のことだったのかもしれない。
私は、彼を待っていた。
「佐藤は本当によく学校の為に動いてくれる人だったな。」
「えらいねぇ。」
「将来有望だと思うぞ?」
「君は勝ち組だと思うから、なんとかやっていけるよ。」
そう言われるのが、どれだけ辛いのか。
誰も知ったこっちゃない。
その「期待」は、いつしか自分自身の「未来の説明書」となっていた。
やり直せるなら、もう一度戻りたい。
自分の好きなことを選択して、のびのびと生きてみたい。
周りからの期待もいらない。もっともっと、自分を大切にして逃げたい。
自分の存在を消したい。消えたい。消さないといけない。
―――この思いは、彼に届くのかな。
きっと届く。
だって彼は、私とは正反対の、クラスメイトなんだから。
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