第3話 感動の再会と予兆

〜アリサ視点〜


「おお!ダーナよ!よく無事であった!本当に心配したんじゃぞ!」

「申し訳ありません。お父様。私も帰ってこれてとても嬉しゅうございます。」

姫様の無事を心から喜んでいるこの方は国王ガルト。とても人思いでどんな人でも手を差し伸べる心の広いお方だ。

国王様と姫様が抱き合っている中、私はミレ姉さん、ミクニ、そして依頼を終わらせたトウコと話し合っていた。

「それって•••本当なの?アリサちゃん。

アンヤが生きてるって•••。」

ミレ姉さんはびっくりした顔でこちらを見る。

仕方ないことだ。未だに私も混乱している。

「姫様の情報だと間違いないそうです。」

「アンヤお兄ちゃんが生きてるの?私、早く会いたい!どこにいるの?」

ミクニが期待を込めた目で私を見る。やめてくれ、私はその目は弱い。

「それが、姫様をギルドに連れてきた後姿をくらましたそうです。」

「本当にアンヤ兄さんだったの?でも•••」

トウコが俯きながらそう答える。それもしょうがないだろう。目の前で見てしまったのだから。

「私も姫様に聞いただけなのでなんとも•••

ですが、ミクニのネックレスと同じものをつけてるのはあり得ませんからね。」

「ミクニのネックレスは手作りでアンヤとお揃いにしたかったんだもんね。将来結婚する約束みたいなことも言ってたもんね。」

ミクニのお揃い癖は小さい頃からあった。

現在でもミレ姉さんはリボン、トウコはキーホルダー、私はヘアピンとみんなつけている。

姫様もお揃いにしようとしたが私が阻止した。

(あんな際どい下着をお揃いにしようとだなんて、ミクニにはまだ早過ぎます!)

まったく(以下略)

まあその後いつのまにかお揃いの指輪をされていたが、ほんとにもう•••。

「ワシもそのアンヤにお礼をしなければならないな。だがそやつは神出鬼没というが•••」

いつのまにか国王様がこちらの会話に参加させていた。

「ええ、ギルドの方々からもお聞きしたのですが、これといって情報がないんです。」

姫様はミクニを抱きしめながらアンヤの情報を説明した。早く離れてください。

「しかし、ナイトメアのやっていることは本当に許されないことだ。今までもかなりの問題行動をしておったが、とうとうダーナにまで手を出しおった。おのれ、ナイトメアめ!徹底的に叩きのめしてやる!」

国王様が顔を真っ赤にして激怒している。

「私も騎士団長としてナイトメアの殲滅にあたりたいと思います。」

「うむ!頼むぞアリサよ!じゃが最優先なのはお主らを含めた国民全員の命じゃ。街は時間があれば治るが人の命は時間をかけても帰ってこないからな。」

国王様は国民全員を大切な家族として大切にしている。国民の意見を全力で取り組み、国民全員を豊かにしようと努力している。なので国民全員は国王様をとても尊敬している。

現に国王様の反対派は存在せず、賛成派が100%と偉業な数字を叩き出している。本当にすごいお方だ。

「ご報告申し上げます!」

突如として騎士の1人が応接室に入ってきた。

「どうした?何かあったのか?」

私は騎士に情報を聞いた。

「は!街の南区にナイトメアと思わしき姿を目撃したとの報告がありました!いかが致しましょう!」

「何!」

ナイトメアが街に侵入しただと!

国王様がすぐに騎士に指示をした。

「国民全員に伝えよ!すぐに街を出て緊急時避難準備区域に避難をせよ!移動手段はプランCを頼む!」

「国民全員ですか?南区にナイトメアと思わしき姿を目撃されただけですが•••」

騎士が疑問をもつ。だが、国王様と私はどうやら考えが一致したらしい。私は騎士にむかって

「何か嫌な予感がする、すぐに行動せよ!」

騎士が「は!」と返事し応接室を出た。

「ワシは国民全員が避難するまでここに残る。」

さすが国王様だ。普通は国民全員より先に国王様が避難するのだが、国王様はそれをしない。国民全員を大切にしている証拠だ。

「私も残ります。姫様、ミレ姉さん、ミクニもここにいて。私とトウコが皆さんの護衛をします。」

トウコが「任せて!」と頼もしく言った。

「一体何が起ころうとしているんじゃ•••」


これからヴィクトリア王国に悪夢がやってくる。


だがナイトメアも自分たちを殲滅する死神が近づいていることにまだ気づかない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

終焉のカタルシス 暁 闇夜 @kyonMK

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ