夜道
八咫鑑
寒気
赤い信号機
黄色く点滅する信号機
水たまりはすぐに赤くなる
水たまりに反射する赤い信号機
濡れたアスファルトに
赤い省察。
凍えて
思うように動かせない指
ぼんやりと灯るLAWSONの灯り
ビニール傘に付く雨粒
滴り落ちる雨粒
なびいて、はるか後ろ
地面に落ちる音がする
意地は落ちない。
見ている
ビニール傘を滴る何本もの筋
その奥の暗い夜道
どこまでもない街灯
見えているがどれも見ていない
通り過ぎる田んぼ
湿った土のにおい
同じ匂いのする
ただ
降りる
疼き止まぬ古傷
低気圧のせいにする
点滅する自転車のランプ
ノスタルジックに点滅する空き缶
またしても過ち。
かけた
濡れた鍵
灯りに群がるユスリカ、雨に打たれ沈んで、沈んでは浮き、浮いては沈み
裾にはねる階段、壁をこする傘
ストラップの付いた鍵
入れたはずの左ポケット
見つからない鍵と正解。
夜道 八咫鑑 @yatanokagami
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