鈍感男子の敗北、お隣の女神さまは男殺し

 平凡な男子高校生・川井創時の隣の席の神崎光莉さんは、全校生徒が憧れる清楚な美少女。誰にでも優しく、脈アリと勘違いして告白する男子が後を絶たないが、全員玉砕して泣きを見る男殺しの女神様と呼ばれている。

 どんなに親しげにされても自分は決して勘違いしないぞと心に誓う川井くんですが、実は神崎さんは川井くんに本当に好意を抱いているのです。

 川井くんの気を引こうと放課後に勉強会を開いたり、体育祭で同じ係に立候補したりと、さまざまなアプローチを仕掛ける神崎さんですが、当の川井くんは「自分みたいなモブ男子を好きになる訳がない」と思い込んでスルーしてしまう非モテ男子のマインドには思わず頭を抱えてしまう。

 川井くんはあくまで友達付き合いのつもりですが、デートしたり、お家に招かれたり、いつの間にかお互いの距離を詰めていく神崎さんの男殺しのテクニックが光ります。

 これには川井くんが敗北するのも時間の問題か。鈍感男子と純情女子のすれ違いが可笑しい学園ラブコメです。


(「隣人ラブコメ」4選/文=愛咲 優詩)