現代詩の試み

@shiodafarm

(2020/11/03)君は憶えているか、その湖沼の畔を

エディッヒ、君は憶えているか、

その湖沼の畔を

まだ君の脳髄が、光に満たされた頃だった、

白い微かな靄が、目の前を流れていった、

原始の無垢が、

辺り一面に立ちこめていたのだった、

専心と、諦念の、

その淡い返照が、風に靡いていた、

ただその面影も、

わずかに崩れ、

幾万遍も、視界を打ち立てた、

その果て無き苦痛に、

応えるためだけに、

湖沼の淡い光の遍満に、

我を忘れたのだった、

ただその、光の記憶のためだけに‥‥

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

現代詩の試み @shiodafarm

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る