重要事項

ohne Warum

第1話

妹との連絡が遮断されている。子供とどう向き合えばいいのかを知らないのに、僕の姿勢を呈示する事も出来ない。妹は僕をお手本にする。それがない。何故なら「僕は精神的におかしくなってしまったから」。異なる文化を生かし始めた者であれば通過する日々がある。


「話の通じない息子をどうするか、」


祖父の父は戦地で子供を殺したのかもしれない。故郷へ帰っても子供はそこにいる。三兄弟の彼の息子たち。真ん中は祖父だ。お兄さんは可愛がられる。弟も大切に育てられる。彼は違う。僕の祖父は現実を生かされた。お兄さんは大事に、弟も新しく生まれた男の子。但し祖父だけが戦地からの置き土産を味合わせられた。疎外されもした。お母さんに話したくとも彼女は、彼女のことを知らない。僕の母ならそれを知る。一つだけ分かることがあります。彼女は手袋を嵌めて過ごしている。電車やバスの中では必ず手袋を。息子を見捨てなかったわけです。迷子や捨て子に寄り添うことが多かったのでは。しかしそれは母に聞く。父から聞いた彼女の像は僕から投影しやすいのだそう。祖母にとっては都合が悪い。お母さんの代わりのようなものだから。他にも一人いる。その方は祖父の兄を看護している。父も息子も文化に適応できるはずもなく病気にされている。わざわざ3人も育てる理由とは?人や街に投影したところでその先は家庭で見た確認作業が行われるだけだ。くだらない自傷劇さ。子は産んではならなかった。一つの事実。それを口にできる人が少ない。我々が代わりに演ずる。人は少しでも震えを止め、投影合戦も終わらせてくれるのかもしれない。初めに遊びを終わらすための鍵を見つけることが大切だ。「夢からの回帰法」と呼ぶような感覚でもって。


父は僕を部屋へと避難させる。何かの際には自分が殺されたいのだと、こちらにはそう思えた。僕らを虐待する者が一人だけ。祖母です。祖母が僕を。彼の不安な様を。娘の泣き叫ぶ姿を。自らの味わった確認作業を僕らへと投影する。一つの流れが支配する過程があるとすれば、僕の暮らしたのは彼女の息子を流産で亡くした先の絶望。僕は祖母を許さない。父も母もそれくらいはわかってくれる。その先が異なる。


「目の前の相手を憎しみ殺すか」


レヴィナスやデリダに参考になる見方が生かされています。それを学ぶ。父に献上しない。母にも直接は教えない。シーニュを生かす。眠りに終えない為。


※3月に父が解雇される。その先の学校を用意する。ミュゼ(美術館、博物館)、図書館、動物園。上野が最適。最後の贈り物はiPhoneでした。人を大切にしなかった彼への返答です。本当は「人生ゲーム」や「神経衰弱」て遊びたい。僕が配置する。僕がそれを試したい。すでに遊び終えている。街は遊び場。それでも人はそこが一体何のかは知らない。収容所体験を遠ざけるからだ。僕はこの体に向けて迫害された。彼らの投影に返答したからだ。お母さんの代わりに拷問される。笑いながら、コンパスやライター、それから僕のメープルカラーのタンブラーを、頭蓋を割るためのバゲッドとして。


「この世は無意味」


その感覚を改変したい。とても困難なことではあるけれど。僕らの現実だ。彼らの夢ではない。全員にプラハを呈示する。その先のアントウェルペン、ネーデルラント。ベルギー。


父親に返答する必要が無いことを知らない僕らが雪合戦をしないのと同じことです。それらはただの投影ごっこ。雪だるまの死体から握り込む。鳩や鼠にビスケットを砕いたものを見つけてもらう,。僕はそのお菓子を口にする必要が無い, 半分に割り、片方を彼らに、一方を置き去りに。手に乗せて、ユダヤ人や枯れ木として彼らを見つめる,。無価値や矛盾を「不在」によって生かす。「疎外」ではなく。

象徴から事物の本質を捉える。遠くから現実を見つめる。ここが先祖の配置したフィールドでしか無いことを踏まえた上で道を征く。夢として。但し現実。彼らのでは無く僕らの。雪合戦に夢中な子供たちを無垢な投影先として遊び場にしたのは。霧をも掴む想い、と歌うのではなくカカシに水を落とす。ここは終わりゆく孤島。 捨て去られた迷子の我々が、理由無く家庭を、収容所を、街を、文化を。


僕らに手渡された殺戮計画書をなぞるだけの遊園地としての社会。事情に寄り添うことはない。箱の中の猫を捉える。それは誰なのかを「猫語の教科書」や、その他の童話が答えを落とす。父に返答は不要。母を見つめて、反転する黙示を。

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