第4話 貴重な休日
プルルルルルルルルルル…
朝7時。
「んん…なんだぁこんな朝っぱらから」
電話がかかってきていた。
「洋孝か…」
とりあえず出た。
「どうしたこんな朝から」
『ん?お前寝起きか。すまんな起こしちまって。』
「気にすんな。そんでどうした?」
『今日暇か?良かったら遊ばないか?』
うーむ。どうしようか。
決めた。
「すまん。今日は少し用事があってな。」
断った。
『そうかぁ。まあまた機会あったら誘うわ!じゃあな!』
「うぃ〜」
ツーツー…
「さて」
洋孝からの誘いを断った訳だが、用事なんて別にない。多分昨日のメンバーが居そうだから断った。洋孝だけなら行ったんだけどな。
「せっかく早く目が覚めたし、出掛けるかな」
朝食を摂り、着替えて家を出た。どうせなら商業施設にでも行って見ることにする。
商業施設に着いた。
「適当に店でも見るか」
と思っていたが…
「げっ」
なんとそこには今朝誘いを断った洋孝グループがいるではないか。
「最悪からだ…とりあえず見つからんように意識しよう」
絶対に会わないようにしようと固く誓った。
とりあえず雑貨屋によった。
「何か面白いものでもないものか…」
そう思いながら店内を回っていた。しかし俺の求めているようなものはなかった。
「電気屋に行くか」
電気屋はゲームとかもあるし、時間を潰すのにはいいだろう。買わないけど。
「このゲームずっとやりたいとか思ってるんだよなぁ。」
そう言って手に取ったのはレーシングゲーム。最近発売されたやつだ。薫の家に行った時はだいたいこれで遊ぶ。是非とも家でやりたいが
「お金がないので無理!」
そう自分に言い聞かせて棚に戻した。
「そういえばそろそろ昼頃だな。フードコートに行くか」
ここのフードコートは非常に充実している。この街では。
牛丼、ラーメン、スパゲティ、ハンバーガーなどなど多数の選択肢がある。
「無難にラーメンを食べるか」
注文しに行った。
10分ほど経ってから提供された。
「いただきます」
「美味かった」
思ったより早く完食してしまった。美味いから仕方ないな。
その後食器を返却してからブラブラを再開した。
「もう特に行きたいところはないし、ゲーセンに行くか」
ゲーセンは最高だ。時間があっという間に過ぎる。しかし、お金もあっという間に無くなる。
「やべ。もう1000円使っちまったのか」
俺はユーフォキャッチャーに夢中になっていた。好きなアニメのキャラのフィギアがあったのだ。しかし、あと少しのところから苦戦した。そして1000円を知らぬ間に消費してしまった。
「もうやめよう。これ以上は危険だ。」
悔しさが残るが、辞めた。
そのままゲーセンを出ようと思ったが
「あれ。あんた中村?」
「…」
まじか。そういえばそうだった。すっかり忘れてしまっていた!
「お前は確か…昨日の」
「月島美影。呼び方はなんでもいいよ」
「そうか」
しまったなぁ。まあ上手く切り上げてそのまま帰ろう。
「月島は何しに来たんだ?」
「あたしは洋孝達と一緒に来てるの。今は個別で行動してるけど。」
やっぱりか。このことは洋孝に言わないで欲しいな。お願いしよう
「今日ここに俺がいた事、洋孝には言わないでくれ」
「いいけど、なんで?」
「話せば長くなる。とりあえず言わないでくれ。それじゃあ俺は行くわ。じゃあな」
「あっちょっと待ってよ」
月島の言うことを無視してそのままそそくさと去った。家に帰ろう。
「ただいま〜」
帰宅。なんだかんだで疲れた。風呂入ってさっさと寝よう。明日も休み。明日はガッツリ休もう。そうしよう。
「おやすみ」
23時。布団に入りそう呟いて、明かりを消した。
恐らく俺は恋愛に不向き きさ 佐伯 @kisamori
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