第3話 たまには日常に変化を

翌日。

俺は目を覚ました。時計を見ると6時30分を示していた。いつもより少し早く目覚めた。

「まあ、少し早いが起きるか。」

そう呟いて俺は布団から出た。昨日のこともあって少々学校に行くのは憂鬱だが、それ以上に出席の方が大事だ。何かあったらその時。


軽く朝食を終え、俺は支度も終えた。まだ家を出る時間には早いのだが、せっかく早く準備を終えたので家を出ることにした。


30分ほどかけて学校にたどり着いた。駐輪場に自転車を置き、教室に向かった。

教室には誰もいなかった。どうやら一番乗りだったようだ。自分の席に着いてしばらくぼーっとすることにした。俺はこの時間が1番好きだ。なにも考えずにただただ時間を過ごしていく。こんなに贅沢なことはない。


10分ぐらいたっただろうか。俺はスマホをいじり始めた。ソシャゲのログインとSNSを確認する程度なのですぐに終わるはずなのだが、なぜだか時間が経っている。ゲームって怖いな。

そんなことを思いながらスマホを触っていると、教室の扉が開かれた。どうやら誰か登校してきたようだ。誰かと思い前を見てみると、そこには石川優希がいた。なんでだ?薫はいないのか?とか思ってたら目が合ってしまった。

「なんであんたがこんなに早くいるのよ」

なんかめっちゃ強めの口調でそんなことを問われた。

「たまたま早く起きたからだが?何か問題でも?」

俺はそう返した。

「へぇ。そう」

そんな反応が返ってきた。そっちから話しかけてきたくせになんなんだろうなその反応。

そのままこの会話は終わった。彼女の目を見るに、昨日のことはさほど根に持ってはいなさそうだ。ひとまず安心した。


しばらくして、クラスの全員が教室に入っていた。もうホームルームの時間だ。スマホはしまっておこう。


今日は金曜日。今日で午前授業は終わるが、明日は休みというだけで頑張れる。授業も特に大切なことは無いので、今日の昼食は外食でもしようかと考えながら流した。

そんなこんなで今日も学校は終わり。放課後を迎えた。

適当にファミレスにでも行こうと思った。1人で。別に誘う友達がいなかった訳では無い。意志を持って1人で来たのだ。平日ということもあり席はガラガラだった。俺は1番奥の席に座った。

スパゲティとピザを頼んで料理が来るのを待った。

数分程で料理が運ばれてきた。

それを30分をくらいかけてじっくり食べて会計に向かった。なんとこれだけで1000円。お手頃すぎる。なんて思いつつ店を出ようとしたところ、俺は声をかけられた。

「おー。亜友夢じゃんか。お前もここにいたのか。」

そこには洋孝がいた。いや、正確には洋孝達だ。一昨日カラオケに行ってただかなんだかのグループ。メンツもこの前と同じ。仲がいいんだな。

「おお。洋孝か。そっちは随分と賑やかだな。」

「ああ。一応去年からの付き合いなんだよこいつらとは。」

へぇ。そんなことは全く知らなかった。違うクラスだったはずなのにどういうきっかけで巡り会ったのだろうかと考えてしまうな。とか思っていると、違うやつに話しかけられた。

「あんたが中村亜友夢?」

「そうだけど。それがどうかしたか?」

「いや別に。よく洋孝が話してるから気になっただけ。」

「そうか。これからなんか付き合いあるかもしれんからとりあえずよろしくな。」

「うん。よろしく〜」

そんなテンプレ感のある会話を交わした。さて、俺はそろそろ帰るか。

「じゃあ俺はもう帰るわ。」

「ああ。じゃあな〜」

そう言って店をでていった。そして帰宅した。


「そういえばファミレスで話したあの子の名前知らないなぁ」

ふとそんなことを思った。気になったから洋孝に聞いてみることにした。

どうやらあの子の名前は月島美影というらしい。なんだか風情のある名前だなぁと思った。風情とかよく分からんけど。

「まあ、とりあえず寝てご飯食ってまた寝るか。」

そうしていつもとは少し違う一日が終わった。明日は休みだ。十分に満喫しよう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る