卒業
卒業式
冬が明けて桜が舞う季節になった。
私と優姫はみんなと同じ女子校生としての生活を1年半、アイドル活動をして1年半と色々な経験か出来たなと実感した。アイドル活動で忙しい時はクラスメイトがノートを貸してくれたり、テスト期間は勉強を教えてくれたりと周りの人たちに支えられたな。
そして何よりも食いしん坊クインテットの杏菜、穂乃美、里実はかけがえのない友達として学校でも私たちをアイドルとしてではなくいつも仲のいい友達として接してくれた。
桜の木を見て月日が経つのは早いな、もうこの制服を着て学校に来ることがないのかと考えると私は寂しく目から涙が出てきた。
ちょっと萌恋、泣いているけれどどうしたの?
声をかけてきたのは食いしん坊クインテットの1人の里実だった。
私、この桜を見てもうこの制服を着て学校に来ることがないのかとって思ったらなんだか寂しくなってきてね……。
確かにそうだね。このかわいい制服に憧れて始めて学校の校門をくぐった時は緊張したし友達が出来るのかって不安でいっぱいだったよ。でも1年生の時の体育祭では急遽走ってもらってから仲良くなって気がつけば萌恋、優姫、杏菜、穂乃美の5人でいることが当たり前になってそれぞれの家に行って色々な所にみんなで行ったよね。そして萌恋と優姫はアイドルとして活動することになっても驕らず私たちのことを友達と接してくれてありがとう。萌恋、感謝しなきゃいけないのはこっちだよ。2人で涙を流していると今度は里実が声をかけてきた。
2人とも何で泣いているの?
月日が経つのは早くて思い出を言っていたら泣けてきてね。私たちに何か用事あった?
用事があるも何も現役女子校生としてこの制服を着て写真撮れるのは最後だから食いしん坊クインテットで写真撮ろうって穂乃美が言っていたよ。萌恋も里実も涙を拭って早く行くよ。
校門の前で5人で並び桜の木をバックにスマホで写真を撮影してもらった。穂乃美は5人それぞれのスマホで撮ってもらう?
優姫はそんなことしなくてもグループラインで写真を送ればいいよ。それなら女子校生の最後の日、みんなでどこか行こうよ。
杏菜は私たちは勿論そうしたいけれど萌恋、優姫は時間あるの?この後仕事ないの?
私は今日は休みもらっているよ。優姫は?
萌恋と一緒で今日は休みもらったから大丈夫だよ。
その後、鎌谷商店街でコロッケを食べてアミューズメント施設に向かい日が暮れるまでカラオケをしたり、ボーリングをしたりと遊んでいた。
杏菜は2人ともアイドルで忙しいけれど体調には気をつけて何かあったらいつでも私たちに相談してね。アイドルの裏事情は分からないけれど話を聞くだけでも楽になると思うからさ。
私は杏菜は優しいね、ありがとう。
この時に友達は一生ものだと感じた。
新戦力
オーディションの合格が決まった翌日、現役メンバーはレッスン場に全員呼び出された。
運営スタッフさんから新たに2人のメンバーが加わることになります。2人とも挨拶して。
まずは栗原から。
「初めまして栗原海音と言います。まだまだ未熟者ですが精一杯アイドルとして頑張ります」
次に名取、挨拶して。
「初めまして名取萌々香と言います。まだアイドルになって右も左も知らない状況ですが先輩たちの姿を見てメンバーやスタッフさん、そしてファンの人に心から応援してもらえるようなアイドルになります。私は誰にも負けるつもりはありません」
その言葉を聞いて私はアイドルとして、キャプテンとして頼もしいメンバーが加入したなと感じた。
では現キャプテンの早乙女萌恋から一言。
「改めまして、ストロベリーカーニバルの早乙女萌恋です。まずは海音ちゃん、萌々香ちゃん合格おめでとうございます。新たなメンバーも加わり私は1度フラットに考えたいと思います。研究生、正規メンバーの肩書きは関係ないです。シングルやアルバムのメンバー、そしてライブやコンサートの大小関係なく実力で決めます。それはキャプテンの私もそうです。そのステージに見合う実力がないのならステージには立ちません。なので今一度みんなで切磋琢磨していきましょう」
私は自分の戒めをする意味でも挨拶で述べた。ストロベリーカーニバルのキャプテン、早乙女萌恋として雑誌の取材やテレビ、ラジオ出演が増えたことはグループを知ってもらうことは大事だがホームグラウンドはあくまでも劇場ライブに来てくれるファンの人やコンサートに来てくれるお客さん。そこを疎かにしてライブに出るのは他のメンバーにもファンの人にも失礼。他人に言っておいて自分が出来ていなかったら話にならない。
次なるメンバー
私は優姫に電話をかけた。
もしもし優姫、萌恋だけど今大丈夫?
うん、大丈夫だけど萌恋から電話ってどうしたの?
今のストロベリーカーニバルについて優姫はどう思う?
どう思うか……。私や萌恋が少しずつだけど外で仕事をさせてもらっているから前に比べたら知名度が上がって劇場ライブやコンサートでも倍率あがってそれだけ私たちに興味を持ってくれていると思う一方、いい意味でも悪い意味でも現状維持でいいかなっていう雰囲気を感じるよ。萌恋は?
さすが優姫、私も一緒でこのままだとストロベリーカーニバルは早乙女萌恋、如月優姫のグループになるような気がしてね。仮に私たちがいなくなったらどうなるのかなって……。
もしかして萌恋、卒業をしようと考えている?
早かれ遅かれ私も優姫もずっとアイドルというわけにはいかないからね。私や優姫が卒業してもグループを卒業しても安心して卒業しても大丈夫だと思えるようにして卒業しないとダメかなって。さっきも言ったけれど早乙女萌恋、如月優姫の2人だけじゃあダメだと思ってさ。
萌恋はキャプテンとしてちゃんとグループの事を見ているね。萌恋も分かっていると思うけれど私たちが期待するメンバーに贔屓するのは違うと思う。当時研修生だった萌恋がいつもレッスン終わってから残って皆実さんに聞きに行っていた様な姿勢じゃないとダメじゃないかな。
あの時の私は先に正規メンバーになった優姫に追いつき追い越したい。ずっとこのままではアイドル人生として終わる。だから皆実に声をかけてたな。
前に穂乃美か言っていたように私たちはアイドル、身体が資本だからお互いに体調には気をつけないとね。明日も早いし電話切るね。
翌日、私は劇場に向かった。いつもレッスン前に来て練習に臨むがこの日は違った。足音が聞こえ、誰か練習していると思った。
着替えてレッスン場に行くと行くと海音と萌々香が来て練習をしていた。私に気づいた2人は萌恋さんおはようございます。
私は2人にまだレッスン始まるまで1時間もあるのに早く来て練習するって偉いね。昨日の復習?
海音はそうです。私、全然踊れていなくて萌々香にいちから教えてもらっていました。歌も上手くない、ダンスも上手くないってなったら早く来て少しでも萌々香や先輩たちに追いつかないと1人だけ出来ない人がいるせいで遅れたら迷惑をかけてしまうので。
海音ちゃんの気持ち分かるよ。私もよくレッスン後に残って練習していたからさ。でも早く来て練習するメンバーは始めてみたよ。私も練習するから海音ちゃん、萌々香ちゃん一緒に練習しよう。
萌々香はそれだと萌恋さんに迷惑じゃあ……。
人間は1人で出来ることは限られているよ。分からないところあったら言ってね。私も復習になるし、それに1回や2回踊っただけで完璧に踊るなんて私にもムリ。だから練習するって感じだよ。今からは鏡を見て一緒にやるからそのポイントで言ってね。
私は身振り手振り教えているとレッスン5分前になり1度自主練を切り上げた。3人でタオルで汗を拭いて水を飲んで少しゆっくりしていた。
レッスンが始まり私は鏡越しで海音ちゃんと萌々香ちゃんの様子を見ていた。入りたてでまだまだ荒削りで踊ることに必死だが他のメンバーと違った。どうしたらもっと上手く踊れるのか?私たちが先輩たちの足を引っ張ってはいけないとひしひしと感じた。その姿を見て私はこの2人をまず1人前にしていずれは私と優姫、食いしん坊姉妹を超える存在になって欲しいと願っていた。それはあくまでも私の思いであってそれを実行するのは海音ちゃんと萌々香ちゃんだけどきっとやってくれる。
今日の復習をした事を復習するためにも全員が出た後に練習しようと思っていた。すると海音と萌々香は私のもとにやって来た。
萌恋さん、お時間があればダンスを教えてもらえませんか?お願い致しますと頭を下げた。
私も今日の復習しようとしようとしていたから一緒にやろう。朝から晩まで練習しよつって思うのは偉いね。他のメンバーは終わるなりすぐに帰ってどうなのかなって思うけどね。
海音は先輩方はダンス踊れているし後ろから見てもキレが違うなと実感しています。萌々香はどう思う?
私、萌恋さんに憧れてストロベリーカーニバルのオーディション受けて入ってみるとあんなに仕事があって忙しいのにも関わらずダンスも完璧で背中で気持ちを伝えているように感じてあの萌恋さんでもここまでやるのなら自分はもっとやらないとっていう気持ちだよ。
まだまだ若輩者ですが宜しくお願い致します。
来るもの拒まず去るもの追わずが私の信念だからいつでも来てね。3人でこの日行ったレッスンを復習しつつ時計を見ると午後6時、あまり遅くなっては親御さんも心配すると考えて2人に帰るように伝えた。
そんなある日、優姫からある事を聞いた。
萌恋、海音ちゃんと萌々香ちゃんが誰かに嫌がらせを受けているってウワサ聞いたよ。私も実際に見たわけじゃないからデマかも知れないけれどキャプテンでもある萌恋に一様伝えておいた方がいいと。
優姫、伝えてくれてありがとう。それがもしホントで誰かが2人に嫌がらせをしているならそのメンバーを許しておけない。ちゃんと注意するね。
このグループでそんな不穏なことがおきるのかな。仮にそうならばキャプテンの私にも責任がある。ウワサじゃなくてホントならまたおきる。現行犯でそのメンバーに注意するしなきゃいけない。
私は疑いたくないものの海音ちゃんと萌々香ちゃんが誰かに何かされていないのか注視していた。練習後に家から持って来た飲み物が無くなりレッスン場を出て劇場近くの自販機で緑茶を買いに行った。その帰りある光景を見た。
「海音、萌々香、最近だけど萌恋に朝や帰りにマンツーマンで教えてもらってキャプテンに媚び売って好かれたいの?それってどうなの?」
私は影に隠れてしばらく4人の会話を聞いていた。
海音はそんなつもりないです。私は先輩たちの足を引っ張らないように練習していたら萌恋さんが教えてあげるって言ってくださって。ねぇ萌々香。
正直私たちは先輩たちの足元にも及びません、なので自主練して少しでも追いつこうと練習していました。それが媚び売っていることになりますか?
研究生が生意気言うな。練習なら家ですればいいでしょ?わざわざレッスン場でする必要あるの?
それは……。
優姫が言っていたウワサはホントだったのか。なんだか寂しい思いもありつつこのままでは収拾がつかないと仲裁に入ることにした。
ちょっと4人、話があるからこっち来て。
海音ちゃん、萌々香ちゃん2人に何を言われたの?
朝や帰りにマンツーマンで教えてもらってキャプテンに媚び売って好かれたいのって言われました。私たちは決してそんなつもりはないのですか中々聞いてもらえずで……。
あんたたちどういうつもりで海音ちゃんと萌々香ちゃんにそんなこと言ったのかいってみな。状況によっては怒るだけじゃあ済まさないよ。
何でって研究生の立場で萌恋に近づいて媚びを売って仲良くなって贔屓してもらおうと目論むのはおかしいでしょって話だよ。
私、2人が加入した時に言ったよね?現役メンバーも研究生といった肩書き関係ない。そんないちゃもん言う時間があったら少しでも練習したらどうなの?それよりも自分たちレッスン終わったら誰よりも早く帰っているけれど練習しているの?
そんなの萌恋に言われなくても練習しているよ。それを言い出したら萌恋の仲良くしている優姫だって帰っているから私たちと変わらないでしょ?どうして私たちだけ言われなきゃいけないわけ?
どうしてって私やスタッフさんが話している時聞いているのか聞いてないのか知らないけれどずっと2人で喋っているけれどどうなのかなって思うわ。それに比べて海音ちゃんと萌々香ちゃんは踊れないからって言って朝早く来て私に教えてくださいって頭を下げてお願いしてくれた研究生と人の話をしている時にベラベラ喋る人とえらい違いだね。ハッキリ言わせてもらうけれどなんでアイドルしているの?
それは歌って踊ってキラキラ輝くためでしょ。
じゃあ今の自分たちはアイドルとしてどうだと思う。まず人のこととやかく言う前にそこを考えな。
萌恋と優姫は劇場ライブ以外にも仕事あるからそんな偉そうなこと言えるわけでしょ?萌恋や優姫は忙しい中練習してるの?私たちには思えないね。
そっか。それを答える前にまず2人に謝りな。そうしたら私も答えるし優姫を呼んで聞くよ。早く。
海音、萌々香意地悪してゴメンね。
私はどんなに他の仕事忙しくたってアイドルである以上劇場ライブやコンサートで踊る曲を覚えるのは当然、ファンの人に観てもらう以上最高のものを見せるために誰よりも早く来て練習して誰よりも遅くまで練習しているよ。優姫を呼んでくるからここでちょっと待っていて。申し訳ないけど優姫、ちょっとこっち来てもらっていい?
ん?萌恋どうしたの?スゴい剣幕だけど……。
優姫は仕事忙しくても家で自主練している?
うん、しているよ、家に防犯カメラあって映像送ってもらうね。すぐに映像が送られてきた。これが私が家で踊っている映像だよ。論より証拠かなと。
2度とこんなことしないって誓って。そしたらアイドルとして活路を見出すヒントにあげるよ。
「私たちは2度とこんなマネは致しません。キャプテン、アイドルとしてのヒント教えてください」
歌唱力やダンスだけじゃなくて自分だけの趣味を貫くこと、もっと発信していくことかな。みんな陽が落ちてきたからもう帰るように。
私は優姫、海音、萌々香の4人でファミレスに向かった。
海音はチーズハンバーグ、萌々香はたらこパスタ、優姫カルボナーラ、私はデミグラスハンバーグを注文した。
海音ちゃん、萌々香ちゃん今日は先輩たちに嫌がらせを受ける事になったのはキャプテンでもある私のせいでもある。ホントゴメンなさい。
海音は萌恋さんが謝らないでください。むしろ私たちを助けて下さりありがとうございます。
萌々香はそうですよ、海音の言うとおり萌恋さんは私たちをかばってくださったじゃないですか。萌恋さんが忙しい中どれだけ苦労されているか私が1番知っています。なのであんな事言うなんて失礼だなと思います。自分の事を言われた以上に悔しいです。
優姫は萌恋があんな剣幕なの初めて見た。でもなんだかんだでメンバーにアドバイスするあたりはやっぱり萌恋は優しいね。
私はメンバーが悪いことがあったら注意するし、メンバーが困ったらアドバイスするのがキャプテンとしての役目だよ。ただそれを全うしただけ。
4人の絆が深まったなと感じてファミレスを出た。
生放送
ゴタゴタがあってから1週間後、レッスンを終えて自主練をしようとしているとちょっと萌恋、事務所に来てと呼び出された。えっ、行っちゃうの……?子犬みたいな目をしていた2人には何時になるか分からないから今日は家で自主練するように伝えた。
最初は何で呼び出されていた頃はドキドキしていたが何度か事務所に行くうち一喜一憂することはなくなった。
萌恋、レッスン終わった後に呼び出してゴメンね。2週間後の土曜日、午後2時からテレビ番組の生放送でストロベリーカーニバルからも最大4人まで出演して欲しいという話が依頼が来ているけれど出演するメンバーは萌恋に一任してもいいかな?
私としては自分も含めてフラットに考えたいので全体を見渡してテレビに出して大丈夫なメンバーを選出しようかなと思いますがそれはあくまでも案で最終的にはスタッフさんに決めてもらいたいです。
それにあたって萌恋としてはどうしたらいいと思う?
そうですね……。劇場ライブや握手会の振る舞いは勿論の事ですがレッスンでの様子やスタッフさんに対する態度が大事になります。テレビ出演やテレビ出演するってなるとテンションが上がってテレビ局の方々や他の出演者に挨拶をするといった礼儀が出来ているのか。そこはアイドルとして以前に1人の人として求められているものかなと私は思います。
ひとまず萌恋の方でテレビ出演するメンバーを最大4人まで考えておいて、私も抜き打ちでレッスン場や劇場ライブの様子を見ているからさ。萌恋はメンバー目線として3日前までに私に伝えて欲しい。話はそれだけだから萌恋も帰っていいよ、お疲れ様。
お疲れ様でした。失礼しますと事務所を後にした。
ここで私は2つの選択肢で悩んでいた。
抜き打ちでメンバーを見るのか?それとも奮起させるためにメンバーに伝えるべきなのか考えていた。
翌日、私はレッスン前に全員の前で2週間後の土曜日にテレビ出演が決まりました。ストロベリーカーニバルは最大4人までとスタッフさんから聞きました。早乙女萌恋がキャプテンだから私は決まりと言うわけではなく劇場ライブの様子や普段のレッスンの様子、スタッフさんの態度を見て総合的に決めようと思います。アイドルとして以前に1人の人としてテレビ出演していいものなのかを基準に決めます。
この日から1週間、メンバーを俯瞰して見て誰を選出するべきなのか考えていた。少し前に比べたらメンバーたちはお互いに助け合おうという意識が高まり仲間であり、ライバルでもあり切磋琢磨していると感じていた。今ならば全員出してもいいと思うが枠が最大4人までという制約がある。難しいな……。
期日も決まっているし気がついたら3日前になった。
レッスン後に事務所に行くと萌恋、決まった?
私としては早乙女萌恋、如月優姫、名取萌々香、栗原海音の4人を推薦します。テレビ局やメンバーに通達はスタッフさんの方からお願い致します。
分かった、最終判断は私がしたということにして萌恋に批判を受けないようにするね。後はこっちの方でやっておくね。キャプテンの萌恋に色々と責任を負わせてゴメンね。萌恋もメンバー同士のこととか何かあったら遠慮なく私たちスタッフに言ってね。信頼して萌恋にお願いしてるけれど体調崩してしまったら元も子もないし早乙女萌恋のグループで成り立っているようだとダメだと思うからさ。
ご心配ありがとうございます。何かありましたら伝えたりすると思うのでその時はお願い致します。
テレビ出演2日前、レッスン後にスタッフさんがレッスン場にやって来た。テレビ出演するメンバーが決まりました。
1人目早乙女萌恋、2人目如月優姫、3人目名取萌々香、4人目栗原海音この4人で行こうと思います。
不平不満があるメンバーはキャプテンの萌恋に言わずに直接私に言ってくること。理由としては最終的にこの4人を選出したのは私なので。お疲れ様。
前であれば他のメンバーがどうして私が選ばれないのかと言う所だがそんなこと言うメンバーは誰もいなくてキャプテンの私は嬉しかった。
生放送当日、4人でテレビ局に行って出会うスタッフさんや共演する出演者たちに挨拶しに行った。
有難いことに私と優姫は何度かテレビやラジオに出演させてもらっているが研究生の海音ちゃんや萌々香ちゃんはテレビ局来る事も始めてで緊張していた、挨拶を終えて私たちの控え室に戻った。
海音ちゃん、萌々香ちゃんは始めてテレビ出演で緊張すると思うけれど困ったら私や萌恋がいるから安心して。
優姫に頼れる先輩は違うね〜。それでどうするの?
萌恋が海音ちゃん役で私にだと思ってこう言って、
「萌恋、困ったワン」
ウィンクしてホントのワンちゃんのように首を傾けてね。
分かった。「萌恋……、困ったワン」これでいい?
さすが萌恋、完璧だよ。海音ちゃん、萌々香ちゃん2人とも困ったらこれで私たちに振ってね。
2人は分かりました。海音は生放送直前に優姫が考案した困ったワンをブログに載せていた。
時間になり、私たちは生放送に挑んだ。ストロベリーカーニバルとして自己紹介して生放送は進んで行き、私は萌々香ちゃんと目が合い子犬のような目をして萌恋さん、困ったワンと振ってきた。
困っているなと思い、代わりに受け答えをした。生放送が終わり、共演者さんやスタッフさんにご挨拶をしてテレビ局を出た。
海音と萌々香は始めてのテレビ出演にお疲れ気味で私は今から4人で甘いものでも食べに行こうか。みんな何か食べたいものある?
萌々香はこのあたりに動物のかわいいクレープを売っているお店があるみたいなのでそこに行きたいですとスマホで道を調べて向かった。
お店に入ると動物クレープはクマやウサギ、ブタ、ハリネズミ、アルパカと何種類かあった。
私はクマ、優姫はハリネズミ、海音はハリネズミ、萌々香はアルパカとそれぞれ注文してそれぞれのクレープ単品と人物とクレープを撮ってそれぞれ食べてかわいくて食べるの勿体ないねといいつつ食べていた。この日はお疲れ様と解散した。
ケガの功名、そして卒業
私は家に帰りスマホでブログやアメロゴスを投稿して他のメンバーがどんな投稿しているのか見ていると驚いた。
海音のブログに緊張しないように私が優姫を相手に練習していた困ったワンが投稿されていてコメント欄には萌恋ちゃんかわいすぎと書かれていた。恐る恐る自分のブログやアメロゴスのコメントを見ているとやはり困ったワンについての多数コメントが寄せられていた。そんな反響のあるものなのかとアメロゴスやニュースサイトのトレンドにある事が書かれていた。
「早乙女萌恋、困ったワン」
私とすればこれがトレンドに入っていることが困ったワンと言いたかった。
翌日、レッスンをしていて海音を呼んだ。
萌恋さん、お話ってなんでしょうか?
海音ちゃんが緊張しないようにって優姫が提案した困ったワンってやつをブログに投稿したでしょ?
はい投稿しました。萌恋さんの困ったワンがあまりにもかわいくてこれを独り占めするのは罪だと考えて載せさせてもらいました。ダメでしたか?
私は海音ちゃんにあのね、言いも悪いも勝手に撮って勝手に載せるのは良くないことだよ。せめてブログに投稿したいので撮ってもいいですかって一言いってくれないと。今回は穏便に済ますけれどメンバー同士でも喧嘩のもとだから気をつけてね。
この困ったワンがストロベリーカーニバルにとって運命を変えることになることになるとはテレビに出演した4人は思いもしなかった。
私たちメンバーは知らされなかったがテレビやラジオ、雑誌と各方面からストロベリーカーニバルに出演して欲しいという依頼が多く来ていて予定調整でスタッフさんはこれまで以上にてんてこ舞いな状況になっていた。
私はシールーム、握手会でお決まりのように困ったワンをするように求められていた。前までは東京で握手会やライブが多く、地方に行くことは殆どなかったがこの一件でストロベリーカーニバルが全国区になりつつあるといっても過言ではない。
萌々香ちゃんが言った困ったワンなのか、練習でやった困ったワンが反響がよかったのかは定かではないがこれがケガの功名になったことには間違いない。
それ以降、各メンバーはテレビやラジオ、雑誌の撮影と多忙の中で劇場ライブやライブでも最高のパフォーマンスをしていて私も次のステップに進もうかなと考えるようになり、優姫に電話をした。
もしもし優姫、今大丈夫?
うん、大丈夫だよ。萌恋どうしたの?
優姫はアイドルを辞めたらどうするか考えている?
私はモデルに進もうかなって考えているよ。萌恋は卒業したらどうするか考えているの?
私はタレントとしてやっていこうかなって考えているよ。お互いに次のステップ考えているね。
それで萌恋、すぐに辞めてタレントに転身するの?
いや、まだ次の事務所も決まっていないしもう少しメンバーたちに私たちの全てを伝えてからかな。
確かに私と萌恋はストロベリーカーニバルの両輪としてやってきたのにそんかスグに辞めるとはいかないよね。萌恋と一緒にストロベリーカーニバルとして活動出来てホントよかったな。
優姫、それは私の台詞だよ。何も趣味のなかった私にラジオ聴いてみたらっていうあの言葉がなかったら本宮皆実というアイドルを知ることもなかった、ストロベリーカーニバルを知ることもなかった。アイドルを知らせてくれたのは他でもない優姫だよ。お礼を言うのはこっちだよ、優姫ありがとう。
萌恋、ありがとう。これからはお互いに新しい事務所を探しつつ次の食いしん坊姉妹に並ぶ、いや超えるような両輪として任せていけるメンバーにするのが私たちの使命だね。じゃあ電話切るね。
翌日から私と優姫はメンバーに歌唱力やダンスを今まで以上に厳しく教えていた。みんな文句1つ言わずに素直に聞いてくれてこの子たちに任せられると考えていてレッスンを終えた。
その後、私は優姫と共に事務所に向かいドアを開けた。
あれ?萌恋、優姫2人揃って来るなんて珍しいね。
すみません、大事なお話があるので2人で来ました。お時間ありますか?
うん、いいよ。別室で3人で話そう。
所で話って言うのはなに?
私、早乙女萌恋と如月優姫はストロベリーカーニバルを卒業しようと2人で事務所に来ました。
今、ストロベリーカーニバルは2人のおかげて徐々に軌道に乗りつつあるのにどうしてまた2人揃って?今2人に抜けたら困る、考え直して。
確かに以前に比べたらストロベリーカーニバルの知名度が上がってお仕事をさせてもらって有難いと思いますがずっとアイドルを出来るわけではありません。早かれ遅かれみんな卒業のタイミングが来ます。ストロベリーカーニバルは早乙女萌恋と如月優姫いてのものと言われることもありますが私たちが卒業してダメになるようなグループではありません。今のメンバーを見ていたら私たちがいなくてもやっていけると思ったからこそこのタイミングだと思いました。
しばらく沈黙し、スタッフさんは分かった。2人の卒業コンサートや最後の劇場ライブの日程決めておくね。いきなり卒業って言ったらファンの人やメンバーが動揺するから予め伝えること、それだけは2人とも守ってね。
分かりました、受け入れていただきありがとうございます。私たちは家に帰りそれぞれブログやアメロゴスで卒業することを伝えた。
萌恋ちゃん卒業しないで。萌恋ちゃんあってのストロベリーカーニバルだよ。考え直して。
卒業を悲しむファンの人から沢山のコメントが寄せられ、翌日のレッスン後に私と優姫が卒業することを伝えると悲しいと思ってくれたのか泣いてくれるメンバーもいて嬉しかった。
スタッフさんが私たちの卒業コンサートに向けて準備をしてくれていると聞いて嬉しかったがその反面、すぐに使える大きな会場が見当たらなかった。
私と優姫は次の事務所が決まっていなかったのでまずはアイドルとして全うして新たな事務所に入って次のステップに踏もうと考えていた。
メンバーやスタッフさんに卒業伝えてから1週間、私と優姫は再び事務所に来るように伝えられた。
ホントは2人それぞれ卒業コンサートをしたいと考えていたけれど大きな会場がどこもいっぱいで鎌谷スタジアムは2月に1日だけ空いていてこんな形は申し訳ないけれど午前中のコンサートを如月優姫卒業コンサート、午後を早乙女萌恋卒業コンサートという形でもいいかな?
私はそういう事なら問題ないですよ。それに人によっては1日中コンサートを観られていいと思います。
優姫はすみません、1つだけお願いがあります。
私たちスタッフに出来ることならばするよ。
コンサートってどうしても抽選で倍率も何倍になるか分かりませんが会場に来られない人も多く出てくる可能性があるのでコンサートをネット中継してもらう事は出来ないでしょうか?
勿論ネット中継以外にもテレビ中継も考えているけれどそこの所はこっちで進めておくから心配しないでいいよ。2人を次に呼ぶ時は劇場ライブの最終日が決まった時に呼ぶことになるから宜しくね。
私は提案した。
可能なら早乙女萌恋と如月優姫、2人とも同じ日にしてもらうこと出来ないですか?
萌恋、一旦落ち着いて。それも含めて決まったらまた2人に事務所に来てもらって伝えるからさ。
まずは半年後に行われる卒業コンサートに向けてのレッスンが始まった。
1週間後、私と優姫は再び事務所に呼ばれた。
2人の最後の劇場ライブは卒業コンサートの3日後に決まりました。忙しいけれどストロベリーカーニバルとして他のメンバーに教えられる事は伝えてあげてね。
分かりました、ワガママを聞いてもらいありがとうございます。
月日が流れ、あっという間に卒業コンサート当日を迎えた。大きな舞台でファンの人に観てもらえる最後の機会だと頑張っていこうと意気込んだ。
皆実からラインが届いた。
2月に行われる2人の卒業コンサートと劇場ライブだけど関係者席から見ようと思う。前に杏菜ちゃんに会って連絡先交換したからスタッフさんに頼んで杏菜ちゃん、里実ちゃん、穂乃美ちゃんの分も席を確保しているから4人で応援するね。
私はふと皆実は卒業生だから関係者席で観ても問題はないが杏菜、里実、穂乃美の分はどうやって言ったのか、前に1度だけ顔を合わせただけなのに。
なにやともあれ皆実、杏菜、里実、穂乃美の4人にアイドルとして最後の勇姿を見せられることは悪いことでもないし深く気にも止めなかった。
ライブ当日、午前中はまず如月優姫卒業コンサートがや行われて満員御礼でテレビ局のカメラやネット中継のカメラも入り大いに盛り上がった。メンバーは1度休憩室に戻りお昼ご飯を食べていた。
優姫は私に声をかけてきた。
次は萌恋の番だね。さっきは萌恋が盛り上げてくれた分、今度は私が萌恋の卒業コンサートを盛り上げるよ。
優姫、ありがとう。キャプテンとして頑張るね。
休憩が終わり、私は午前中の優姫のように沢山お客さんが入っているのか?午前中のお客さんがみんな帰っていないのか?不安な気持ちでいた。
私の思いは杞憂で早乙女萌恋卒業コンサートは満員御礼となっており、うちわやタオルが振られていた。中にはボードで早乙女萌恋と書いている人もいてライブが始まる前に泣きそうになっていた。
私は歌って踊ってこんな大勢の人たちに応援してもらって支えられていたのかと改めて感じたライブになった。
残すは最後の劇場ライブか……。長かったような短かったようなアイドル人生だなと振り返っていた。
グループラインで穂乃美から萌恋、優姫ライブお疲れ様でした、2人がアイドルとして輝いている姿を観られてよかった。杏菜からは残り少ないアイドルを楽しんでください。最後まで応援するよ。穂乃美からは私たちはいつまでも早乙女萌恋と如月優姫のファンであり続けるよ。またご飯行こうね。
このメッセージを見て3人には感謝してもしきれない。友達として1人のファンとして応援してくれた事に嬉しくあり、支えられていたと感じた。
続くように皆実からもラインが届いた。
「萌恋、卒業コンサートお疲れ様。入りたての時は全然踊れなくて悔しくて毎日のようにレッスン場で残ってやっていてよく皆実さん教えてくださいとよく頭を下げていたね。その姿を見て次のストロベリーカーニバルを担うのは萌恋しかいないと考えて次期キャプテンと推薦したよ。グループをここまで大きくなったのは早乙女萌恋キャプテンをはじめ、ストロベリーカーニバルのメンバーの努力の賜物だと思います。残り少ないアイドル生活ですが悔いを残さず頑張ってください」
皆実のメッセージを見て私はこの人に追いつきたい追い越したい一心でやっていたのにまさかそこまで考えてくれていたということに嬉しかった。
アイドルと最後の劇場ライブ日を迎えた。いつもは午後6時から始まるライブだが、この日は午後5時から3時間が予定されていて私と優姫の最後の劇場ライブが始まった。
私は関係者席に座る4人を見つけてウィンクをした。
ファンの人から萌恋ちゃん〜、優姫ちゃん〜と声が枯れるくらい大きな声援を受けてこの光景は一生忘れることは出来ないだろう。
劇場ライブはいつも通り2時間で終わり、1度袖に捌けた。私と優姫は後1時間あるのにどうするのかと焦っていた。
そして海音と萌々香が出てきて今から2人のセレモニー行います。卒業される早乙女萌恋さん、如月優姫さんセンターマイクまでお越しくださいと呼ばれた。私は小声で優姫にファンの人に向けて手紙書いてきたけれど優姫は準備してきた?
優姫はうん、一様用意してきたよ。とりあえず急ごう。
私と優姫はセンターマイクに行くとマイクを取ってまず海音が手紙を取り出した。
「優姫さんへ
まだ加入して数ヶ月で卒業されると聞いてホントに寂しい思いで今でも今日で卒業するのはウソだと言って欲しい気持ちがあります。初めての生放送で緊張していた私と萌々香に優しく接してくれて困ったら私や萌恋に振ってね、控え室で萌恋さんに困ったワンをさせていて笑顔になっている姿はかわいい女の子だな。しかし生放送では真剣な表情で学ぶ点が沢山あり、レッスン場では並々ならぬオーラを発していてオンとオフがスゴくてこれがプロのアイドルだなと感じました。これからは優姫さんのようにされるように私も頑張ります。 栗原海音より」
海音から手紙と色紙、花束を渡すと優姫は泣いていた。優姫は海音、ありがとうと抱きしめた。
海音はマイクを萌々香に渡し、手紙を出した。
「萌恋さんへ
私が初めて萌恋さんとお会いしたのはストロベリーカーニバルに加入する前の埼玉の草谷商店街で出会いました。元々ストロベリーカーニバル早乙女萌恋さんのファンでもあったので実際に生で見た時は本物なのかと最初は疑いました。萌恋さんにオススメのお店を紹介すると一緒にご飯食べようとわざわざカメラを止めて一緒に食事をしてくれました。それだけでなく色紙が無い代わりにメモ帳にサインをして渡してくれてアイドルとしてよりもこんな優しい人がいるのかと思い、こんなアイドルになりたいと思うキッカケになりました。そしてストロベリーカーニバルに加入して萌恋さんの姿を見て驚きました。それは誰よりも早くレッスン場に来て練習をして終わってからもレッスンしている姿を見てあの萌恋さんでもこんなにやっているならもっとやらなくてはと思いました。萌恋さんが安心してこのグループを見られるようにこれからは私が引っ張っていきます。私の中で早乙女萌恋さんは永遠のアイドルです。 名取萌々香より」
優姫と同様、私も萌々香から手紙と色紙、そして花束を渡されて萌々香を抱きしめてこれからのストロベリーカーニバルを宜しくねと伝えた。
私と優姫は手紙を用意していたが泣いたまま読むことは出来ず1度裏に捌けた。涙を拭って水を飲み気持ちを落ち着かせて再びステージに戻った。
私と優姫は顔を見合わせてマイクを優姫に渡した。優姫はどんなことを考えてきたのかと楽しみにしていた。優姫は手紙を取り出した。
「ファンの方々へ
今日まで如月優姫の応援ありがとうございます。昔から応援してくださっていただいた方々のおかけでアイドルとして輝く事が出来ました。
沢山の仲間、スタッフさんがいたからこそ私はここに居られます。もう1人、感謝してもしきれない人がいます。
それはストロベリーカーニバルのキャプテンでもあり、心友でもある早乙女萌恋さんです。
萌恋は同じ高校で仲がよく一緒のタイミングでアイドルになり、心友でもあり1番のライバルで萌恋には負けたくないと切磋琢磨してきました。
私はアイドル活動をしていて励ましのコメントを下さる方もいる一方、誹謗中傷のコメントも寄せられて体調を崩して入院しました。
ある日、大雨の中にお見舞いにに来てくれたのは他でもない萌恋でした。その時に萌恋は私に外を見るように言われ、病室の窓越しに外を見ました。
萌恋から今の優姫は大雨で中々止まない感じだけどずっと降り続ける雨はないよ。雨が明ければ空にキレイな虹が架かるよ。だから優姫も今はツラいと思うけれど体調を治してステージでまたキレイな虹を描くようにアイドルとして輝こうと言われ、ここまでアイドルとして活動することが出来ました。萌恋、ありがとう。 如月優姫より」
さっき優姫は一様考えてきたと言っていたがちゃんと考えてきていて感動して自分が読む前にまた泣きそうになり涙を堪えていた。
優姫から次は萌恋の番だよとマイクを渡された。私は手紙を取り出した。
「ストロベリーカーニバルのキャプテン早乙女萌恋です。
私は萌々香のようにずっとアイドルを目指している訳ではありませんでした。元々私は趣味もなく家と学校を行き来するだけの生活をしていましたが同じ高校の優姫に何か趣味を増やしたいと伝えると教養も深まるからラジオを聴いた方がいいよ。その日の夜、たまたま聴いていたラジオに前キャプテンの本宮皆実さんが出演していて翌日にライブがあると知り、優姫と2人でライブを行ってからアイドルを目指すようになり合格しました。
前キャプテンの本宮皆実さんを含めて初期メンバーが種をまいてて私たちが加入をしてその種が段々と蕾になりました。それぞれのメンバーの頑張りにより蕾が少しずつですが花を咲かせました。そして皆実さんからの推薦もあって私、早乙女萌恋が新キャプテンに就任しました。
私も含めてアイドルとして輝く事が出来るのはファンの人たちに支えられているからと常に感じていました。それは私だけじゃなくてここにいるメンバー全員が同じ気持ちです。
ここまで頑張ってこられたのはファンの人、そして沢山の仲間、その中でも1番のライバルでもある如月優姫の存在があったからこそです。優姫と常に切磋琢磨して優姫には負けたくないという気持ちでやって来ました。
最後になりますがどんなキレイな花もいずれは枯れてしまいます。私は今日をもってアイドルという花は枯れますが次のステージでまた1から種をまいてキレイな花を咲かせて皆さんの前に帰ってくることを誓います。 早乙女萌恋より」
時間が15分早く終わり、メンバーが一斉に集まって私や優姫の思い出話やこんなことがあったなどずっと喋って私と優姫の卒業コンサートを終えた。
私と優姫はまず1人ずつそれぞれの写真を撮った後に1度出て戻ってきてくれた皆実、杏菜、里実、穂乃美と6人で写真を撮って2人ともアイドルお疲れ様でしたと4人とそれぞれ抱き合った。
これで私と優姫のアイドル人生が終わり、これからはそれぞれ違う道に進むことになる。
真逆な2人 佐々蔵翔人 @kochan884
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます