第3話
最近は周りを気に掛けつつ行動をする様になった俺である。
師匠が俺を助けてくれた様なシチュエーションなり、その他の小さなSOSを見逃さない様にだ。
そして、そんな現場になら、もしかしたら師匠がまた颯爽と現れるかもしれない。と言う期待もあったりする。
俺はもう一度師匠に会いたい!まずは弟子と受諾して頂く!これはとても大事な事案だ。
無論貢物に抜かりは無い。
だけど、まぁそうそう出会わんわな、そんな状況には……。
特になんて事無い毎日だ。
今日も毎度恒例、店長の子どもの写真見せたい圧に押され、スクロール+エピソードトークが繰り広げられる中バイトの制服にチェンジだ。
よし。働こう。
平日は来るお客さんもだいたい同じで、忙しくは無い。
のそのそ仕事をやりつつレジ対応をして……今日もいつも通りだな。
「いらっしゃっせー」
ん?ばぁちゃんか、この時間は珍しいな。
何にも買わないで出てった。おぅ電話か。
あっいけねミルクと砂糖の補充忘れてた……ガムシロも……っと
ばぁちゃん電話なげーな。
「らっしゃっせー」
「すみません。電話で言われてもねぇーぜんぜん分からないものだから、教えてもらいたんだけどねぇー」
ばぁちゃんの話からすると、どうも某緑色無料メッセージアプリのカードが欲しくて、電話で色々説明されたが全然分からなくて困ってしまったらしい。
結構な額なんだよなー。そんですぐに駅前まで息子が取りに来るんだって。
「さっきの電話は息子さんですか?」
「そうなの、会社の携帯だから番号が違うけどーって言ってたけどねぇ」
「会社の携帯から良く電話よこすんですか?」
「んー?そういえば、はじめてだねぇ」
「本当に息子さんの声だったんですか?」
「そうだよー風邪ひいちゃったんだよーって言ってたからねぇ」
フラグが立ち過ぎててヤベェ。マジか。
「ばぁちゃん、すぐ準備するからここ座ってて」
「あら、ありがとねぇ」
俺は今警察署にいる。
あのフラグ!やっぱりか!!
さっきの、ばぁちゃんとのやり取りを全部警察にしゃべって、何だか色々紙に書いて。
バイトより疲れた。
だけど、まぁ、ばぁちゃんに何度も何度もほんわかニコニコ顔でお礼を言われちゃぁ。最後まできっちり落とし前はつけるぜ。
結局のところニュースで良く聞く、お年寄りを狙った詐欺だった。って言うオチよ。
コンビニバイト歴二年目にして、こんな出来事に遭遇するとは……。
いつ何が起きるかなんてわかんねぇもんだな。
師匠!俺。これからも精進します!
世直しニャンニャン やのつばさ @hlk
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