第2話

 俺さ、家の近所のコンビニでバイトしてんだ。駅前にある、7時から11時まで営業してますよーって謳ってるなんて事無い普通のとこでさ。

 ちなみに、俺が死にかけた横断歩道の目の前。


 そんなコンビニで、ある日事件が起きた。

深夜、店長が一人で仕事中に強盗に襲われたんだ。丁度レジ作業中で、ナイフを突き付けられてお決まりの「金出せ!!」だ。


 店長は最近子どもが産まれたっつってウザいぐらいに、スマホで写真見せつけてきてさー、天使の寝顔だのなんだのって。

 とにかくスゲー可愛がってんの。だから(今は死ぬ時じゃ無い。死にたく無い。助けて!!)

 って今まで生きて来て初、位の気持ちを込めて願ったらしいんだ。

 そしたらさ、自動ドアが開いて、お客さんだ!危ない!と思って、犯人と一緒のタイミングでそっちを見たら、おっきな白猫がのっそり入ってきたんだってよ。んであの凶悪ヅラからの「ニ゛ャ゛〜オ゛」だ。

 犯人は一目散に逃げてったらしい。


 だけど防犯カメラにバッチリ撮られちゃってるから、次の日には捕まったってニュースでやってたよ。


 店長が言ってたけど、それはそれはスゴイ迫力のひと鳴きだったって。防犯カメラにもその証拠がしっかり映っててさ!店長に見せてもらったけど、もう、なんかカッケー!

 としか言いようがない佇まいだったよ


 「なにやってんだゴラァ」ってトコ?


 圧倒的な凄さを見せつけて、あっさり人助けをし、颯爽と姿を消す。

 身近でそんな事が度々起こってしまっては。その後する事があるとしたら

 

『師匠』


 と尊敬と憧れの念を込めて師事し、弟子として恥ずかしくない様、日々の行いを改める事位だろう。


 その一環として、俺はいつも、愛くるしくペロペロするニャンコちゃんを見放題のお宝CMで有名な、みんなお馴染みのニャンコほいほいアイテムを欠かさず持っている。


 師匠にいつ出会っても良い様にだ。

 感謝の気持ちを込めているこの貢ぎ物を、是非受け取って頂きたい。

 それと近所の野良猫が、もしかしたら兄弟子かも知れないと気づいてしまって、お近づきの印に。

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