世直しニャンニャン
やのつばさ
第1話
俺の名前は
今日はちょっと俺の体験した話を聞いてもらいたいんだけど、良いっすか?
紛れもなく経験者が語る本当に身に起きた話だから、そこんとこヨロシク。
ある日の学校帰り、電車の中でやっていたスマホゲームを電車を降りてからも、歩きながらやっててさ。キリが悪かったから、つい魔がさして……。
そのまま歩いて、駅前のいつもの横断歩道に差し掛かった。やったーやっとガチャ引けるー。なんて、くだらない事を喜びながらだ。
その瞬間結構な力で制服の首元を後ろに引っ張られた。
うっわ〜うぜぇ絶対歩きスマホ注意されるやつ〜。
と思ってたんだけど、後ろを振り向くよりも早く、目の前を大型トラックが通り過ぎて行った。完璧に横断歩道側の赤信号を見逃してた。
慌てて後ろを振り向いてお礼を言おうとしたら人の姿が見当たらない、足元に大きめの真っ白な猫が居て、おまえなんて簡単に殺せるんだぜぃ。と言わんばかりの極悪人顔?極悪猫顔?
とにかくすっげー怖い顔でこっちを見てんだ。そんで一言「にゃーん」いや違うな「に゛ゃ゛〜ん゛」と低っくいドスの効いた声で一回鳴いてクルッと向こうへ歩いて行ってしまった。
「死にてぇのか小僧」
とでも言われた気分だった。
それ以来歩きスマホはもう辞めた。特になんて事ない人生だったけど、猫に救われた命だ。猫に恩返し、じゃ無いけど、それからは少しずつ良い事をする様にしてんだ。
でも、そういう事恥ずかしいお年頃だからさ、まあ、見られないように?
例えば、教室のプリントが1箇所剥がれてるのを貼ったり……
隣の席のヤツが消しゴム落として気づいて無いのをこっそり拾っておいたり……
あっ!あと、友達のボケも出来るだけ拾ってつっこむ様になったし……
小さい事からコツコツと!だろ!
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