第5話 トーナメント開幕!
ユウリは今日、また朝早くに目を覚ましていた。
時計は朝の一刻を指していて当然、外は静かだ。
この朝から早く起きてしまう現象はシリウスと訓練している期間中も毎日として起きていたがもう慣れてしまったせいかユウリは何事もなかったかのように洗面台に行き顔を洗った。
部屋着から騎士の制服へと着替え終わると椅子に座る。
何もすることがなく何かしようと考えていると昨日のシリウスの言葉を思い出す。
(今日帰った後は、明日の自分がどのように動くかをイメージしろ)
ユウリはその場でそっと目を閉じて自分が舞台の上にいるのを想像する。
魔法を使う人を想定していろいろなパターンの攻め方を試みるが自分のイメージではどれも上手くいかない。
ユウリは目を開ける。
体の底から剣を握り実際に振るいたい衝動に駆られる。
ただ、ここだと少し狭すぎてまともに剣を振れない。
ユウリはそれでもその衝動を抑えられず、準備を終えて壁にかけてあるオルタナティブソードと鞘を取り玄関を開けて外に出た。
ユウリは急いで外に出ていくとシリウスと訓練をしていた草原へと向かった。
ユウリが草原に着くとそこにはアキラがすでに来ていて練習をしていた。
「アキラ!来てたんだ!」
ユウリが声をかけるとアキラはユウリに気がつくと
「おう!トーナメント開会までの時間、ただ待ってるわけにもいかないからやっていこうぜ!」
アキラはまるで待っていたと言わんばかりに応えるとユウリはすぐにオルタナティブソードを腰の鞘から抜いてアキラと練習をする。
―トーナメント開会式前―
ユウリとアキラは急いで城内広場の出場者一覧とトーナメント表が張り出されている掲示板のところへと向かう。
もうすでに広場には大勢の人が出場者を確認するために集まっていた。
ユウリは何とか人をかぎ分けトーナメント表が見える場所まで移動する。
シリウスのトーナメントはABCDの各32人が分かれておりそのブロックで勝ち上がった4人でまたトーナメントを再編成し優勝を決めるという感じになっている。
そこでユウリは運よくAブロックに名前が書かれていた!
「ユウリ!Aブロックに名前書いてあったぞ!」
「あぁ!書いてあったよ!」
その後にアキラの名前も探したのだがどのブロックにもアキラの名前は見つからなかった。
「どうやら俺の名前は書かれてなかったな……」
その言葉をアキラが口にするとユウリは少しばかり落ち込む。
アキラはそんなユウリの落ち込む姿に励まそうとする
「まぁ……もともと俺は騎士でもないから選ばれることはそうそうないことだから気にするなよ」
「正直……アキラと一緒に訓練した成果をシリウスに見せたかったよ……」
「俺はお前と一緒に訓練できてよかったよ……そうじゃなかったら俺はここまで頑張れなかったし……それよりお前はこのトーナメントのことを考えておけよ」
「うん……一回戦目からきちんと整えておかないと……」
アキラの言葉通り今、そんなことを考えていたらこのトーナメントはそう上手くいくわけがない。
その訳がユウリの名前がBブロックのシード下に書かれてあり、その第二回戦目で当たるシードの人物がこのシリウス領ではシリウスに次ぐ実力者であり光速の剣士と呼ばれている「レイ」が第二戦目の相手であったのだから…………
オルタナティブソード アカツキ @akatukiKG
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