異神録.残火、燻る劫炎
──始まりがあるからこそ終わりがあるのか。
終わりがあるから始まりがあるのか──
一つの時代を終わらせた
黒き巨人王の手を離れたそれは、幾千年の時を経て新な主を得る事となった。新な主は一人の幼子であり、黒き巨人王と比較する事すら
──新な主の名はマリーナ。
未曾有の危機に貧した人類が産み落とした
それに対し、
与えられた切っ掛けは自我の芽生えを促し、芽生えた自我は急速な成長を見せたのだ。
──しかしその報告は
自我を獲た二人を恐れた研究員の一派が企てた
主を守る為に獲たのはかつての主、黒き巨人の王を模した灼熱の肉体。滅ぼす為の力を、守る為に使おうとした為か、その体躯は白炎の鎧に覆われていた。
そして
──わかっていた筈なのだ、それは元より人の手には余る代物だと言うことは 。
ただの数秒、一分にも満たない顕現で振るわれたのはたった一度。その一度で彼女を造り出した研究施設は、跡形もなく消え失せたのだ。溶岩の熱にも耐え得る素材で造られた施設を融解させ、周囲の土地さえも溶解させた終末の劫炎。
その跡地に残されたのは主であるマリーナと、彼女の両親。劫炎の主、
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