神崎ひかげVSカン・ジ・エンプティ

ショートケーキ

「タマちゃん！！大丈夫！？」

　神崎ひかげは藤原埼玉に電話を掛けて、開口一番でそう叫んだ。

「あぁ、ごめんね。タマちゃんではないです。今替わるからね。」

　スマホから謎の男の声がした。

「ひかげちゃん。どうしたの？」

「タマちゃんこそ。どこで何やってんの！？」

「あのね、沖縄で会った酒屋のおじさんと偶然会ってね。今、ショートケーキ奢って貰ってる。」

「タマちゃん。ケーキの後で良いからお酒買ってきてくれるかな。」

　藤原埼玉の無事がわかって安心した神崎ひかげは無性に酒が呑みたくなっていた。