第9話 ごく潰しの寄生虫の元教師

 第9話 ごく潰しの寄生虫の元教師

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 ー女教授ー


「はぁ~~」


 ダメね。

 一向に解決できない、それどころか全く進展もない。


 私が、魔力の抑制症状について調べだしたのは数年前のこと。

 理由は単純明快、私自身がその病に犯され、輝かしい未来をあきらめざる負えなくなったから。

 当時、宮廷魔術師になりたかった私にとって、それは絶望でしかなかった。


 だから、その恨みをぶつけるように研究しまくって、それが一定の評価を得て私は学園に研究者として席を残すことになった。


 のだが……


 進展がない。

 解決の糸口が見えない。


 別にだからと言って、学園から何か言われるわけでもなければ、ほかの教員から何か言われることもない。


 この病は、昔から人類を苦しめてきた。

 魔法が使えなくなる、または少し弱くなる。

 ただそれだけなのだが、魔法の価値を考えればそう軽く見ることができない。


 近年は、魔族との戦争も激化し、国は少しでも強い兵を求めている。

 そんな中これほど邪魔なものもない。


 だから、多くの研究者たちが研究し、国からも資金が投入されている。

 それでも、いまだ謎なのだ。


 むしろ、私は期待されているといえる。

 少しとはいえ進展させたのだ。

 それだけで、立派な研究者であるといえる。


 ……あのやらかしが、痛すぎたわね。


 数年前この学園に入学した、魔法系のスキルを持たずに魔法を使える少年。

 この症状とはちょうど真逆のそれはふってわいた幸運であり、私はその幸運をつかみ損ねたということなのでしょうね。


「はぁ」


 ため息が出る。

 別に、結果が出なくても問題ないといえばない。

 私には名誉も金もある。


 でも……


 これは、私の復讐なのだ。


 この病に対する。

 私の夢を壊した、代償を払わせるための。


 だから、だからこそ……

 あの少年の件が惜しい。


 数年間、私はろくな研究成果を出せていない。

 あの少年が退学したと聞いた時、追うという選択肢もあった。

 でも、最新の環境が整った、ここで研究した方が近道だと思った。


 ……それは間違いだったらしい。


 授業をほっぽり出してでも、ここを首になってでも、何をしてでも追いかけるべきだった。


 まだ、遅くないはずだ。


「先生、お客様がお見えです」


「いま、行くわ」


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 ー女教授ー


 彼の足取りを、情報屋にお願いしたわ。

 何年も前の、一般人。

 かなり大変だったみたいで、かなりお金がかかってしまったけど……


 それでも見つかったみたい。


 この国の中心から外れた、小さな村。

 彼はそこの出身で、学園をやめた後もそこに帰っていったみたい。


 今は、ひきこもりになっているとか。


 脱落したエリートがひきこもる、ありふれたお話だ。

 でも、私にとっては都合がいい。


 ちょっとお金出せば、簡単に引き取れるかもしれない。

 有用なサンプルが……何年かけても進まなかった研究のキーになる可能性のある人が。


 ふふ、楽しみね。


 これでやっと、私の復讐が前に進む。


「先生、にやにやしてどうしたんですか?」


 あら、恥ずかしい。

 顔に出ていたかしら。


 でも、長年私を苦しめてきた、それの解決の糸口が見えたんですもの。

 ちょっとぐらい、しょうがないわよね。


「いいえ、何でもないわ。そうだわ、学園長にちょっとここはなれるからって言っといてもらっていいかしら」


「え!? いきなりそんなこと言われても、困ります」


 そういえば、研究のことに頭がいっぱいで学長に何も言ってなかったわね。

 ダメね。

 興奮して、視界が狭くなりすぎているわね。


 首になってでも追いかけたいけど、首にならずに済むならそれに越したことはない。

 彼を最新の機器で研究すれば……


「研究のためなのよ」


「研究の? というと、例の……」


「ええ、少し光が見えたから」


「なら、仕方ないですね。学長の方は説得しておきます。ところで出発は?」


 あら、物分かりがいい。

 いいえ、それほどこの病が国で問題になっているという証拠かしらね。


 いつ出るかですって?

 そんなの今日に決まってます。

 一刻も早い解決を。


 ああ、なんで私は何年も足踏みをしてしまったのでしょうか。


「今日よ」


「今日ですか……今日!?」


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 ーゾンビウイルスと主人公ー


 主人公とゾンビウイルスを、重ねて考えたものも多いのではないだろうか?

 そこで、今回は少しこの二つを比較してみることにしよう。


 〇そもそも、ゾンビウイルスとは?


 簡単に言うと、感染したらゾンビになるウイルスですね。

 この説明だとあんまりにもあれなので詳しく説明しますが、空気感染または傷口からの血液感染が主ですね。

 ……リアルだと蚊を媒介にして蔓延しそうですね。

 感染するとおそらく脳を直接壊すタイプのウイルスで、ほぼ狂犬病ですね。

 つまりゾンビウイルスは、人が感染するタイプの狂犬病ウイルスと言えるわけです。

 かなりざっくりですが、この小説ゾンビものじゃないのでここまででご勘弁を。


 〇さて主人公ですが……


 まず、主人公はウイルスではありませんね。

 間違いなく多細胞生命体です。

 え?

 それにしては小さすぎる?

 ……そこはほら、魔法のおかげで細胞の最小単位が小っちゃくなったんでしょ。

 それに、大脳を破壊するのではなく、神経に接続し乗っ取るタイプです。

 乗っ取った後も、生物は生きています。

 主人公の人間時代の体も、一応生きてはいました。

 それに感染方法は経皮感染。

 つまり、触れたらダメなタイプですね。

 触れただけでおじゃんなゾンビものとか、嫌すぎる……


 〇そもそも


 主人公がゾンビウイルスに似たのはたまたまで、実際は○○を参考に……

 あれ?

 つ、通信が……


 ザザザ、ザーー、ザーーーー、ツーーーー

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『寄生虫にもできる世界征服』~ごく潰し呼ばわりされ村を追放→即死亡……あれ!?生きてる!!~ アレン @aren_novel_No100

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