蠕動する窟
このとき平馬は、もう一つの事実に気がついた。
・・・・やはり
この窟が、綾の体内であることを伽紅耶は知っていたのであったろう。いやむしろ、
それを察して
三人の若侍に安全であることを告げてから、平馬は
くるくると宙を舞いながら降り立った伽紅耶は、平馬と同じ背丈になって、ジロリと睨み返してきた。
「さあ、事情を話してくれ」
「おい、早く話せっ!」
珍しく声を荒げて迫る平馬の表情の変化を眺めながら、伽紅耶は、ぼそりと呟いた。
《事情なぞ、あろうはずはない・・・・》
「ん?」
思わず平馬が発する。まだ仲間ではない相手に、こちらの要望を伝えるには、
「だが、おまえは、ここがどこかを知っていた?それは・・・・」
《
「な、なにを?」
《この世で、最も恐ろしきモノの正体を!ふふふ、ほら、口ごもったぞえ・・・・悪霊、亡霊、魔のもの、化け物、鬼、
「・・・・・・?」
これほど伽紅耶が饒舌だとは、平馬は知らなかった。
それに。
仲間にはなれない・・・・とは、一体、どういうことなのか。未知の生き物が
それは。
伽紅耶の正体の一端が平馬の頭裡に浮かび上がってきたからだ。
無明を宿敵と位置づけるものは、すなわち、
アッと、平馬は悟った。
・・・・
「あ、あなたは・・・・」
急に口調を改めた平馬は、伽紅耶の前に片膝をついて
「・・・・あなたは、
平馬の躰の
平馬がゆく 嵯峨嶋 掌 @yume2aliens
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