アリサ日記

留まらない探究心

警告!!!

この日記は僕か僕が手渡した人しか見てはいけません!!

もし見た場合は地獄にぶち込みます!!


日記なら日にちを書くべきでしょうけど、生憎僕は今旅に出ていて分かりません!!

今僕がいるのはとある村。小さな村です。

ていうか僕が何故旅をしているのか、知りたいですか?

まぁ基本僕しか読まないので書く必要はないですけどね!

一応記録として書き記しておきます。

僕は強くなるために旅をしています。

…強くなるために旅をしています!!

そう!旅をすればきっと人見知りも治るから!!

しかし人見知りを治すための旅で最初の村がここですか。


「探究者の村」


なんだこれは…明らかにやばい人しかいなさそう…

「…うわ」

想像通りというか、やっぱり外には気持ち悪いくらい人がいました。

「ーーー博士の演説会は後1時間で…」

「ねぇ、なんで人って死ぬの怖いのかな?」

「約200年前…きもちわる…」

その名の通り探究者がいっぱいいるらしく。

なんかずっと本読んでた同類っぽい人に声かけてみようと思います。

多分同い年くらいの男の子。いけそう。

「あっ…ああああ…あ…あの…あ…え…ぁ…ぅ…」

あ、無理だこれ…う…頭が…

男の子は顔を上げました。

「え…は…?え…ああー…えっと…うん…えぇ…」

おっと…良かった、仲間だ…

「あっ、ああのののちょぉぉっっと聞きたいんですけ…ど…」

「へ…あっ…う…は…はい…なんで…しょう…か」

「この村って…あの…えっと…ど…どんな…村ですか?」

「えっ…?どんな…村…って…………え……………」

「…………………………」

「………………………………………変な…村?」

「変…ですか」

「は…い…ちょっと…変な…人が…多い…ので…きっとあなたも……………その……あ……変…だと…思うように……なる……な…なると…思います…よ…」

「そ…そですか…あ…あ……アリガト…ゴッ…ゴザイマス」

「…………………………ドウモ」


死ぬかと思ったー!!

こ、怖い!人って怖い!!お母さん助けて!!

そしてほとんど収穫が得られてない…

変な村…らしいですね。どんな村なんですかそれ。

しかし村の様子を見た感じやはり名前の通りのようで、研究者とかが多いそうで、そうでなくともなんか探究心が強い人が多いっぽいですね。

なぜこんなところに来てしまったんでしょう…

とりあえずここに泊まる事はしたくないので適当に回ってちゃっと出ましょうこんな地獄。


人に出会いたくないので人通りが少なかった箇所を歩いていました。まぁ人がいないわけではなく。

「よぉそこのお嬢ちゃん!」

こんなところにもこういうチンピラみてーな奴いるんですね。

「おい!なぁこっち向けって!」

無視されてるようです。可哀想に。死んでしまえ。

「全く、冷たいなぁ…」

そう言って僕の肩に感触がありました。振り返させられ、目の前には3人の頭が悪そうな男がいました。

「へへ…可愛い顔してんじゃねぇか…」

「…え?」

なんでしょうか。なんか幻覚見える薬でも飲みました?

一体僕のどこが可愛いんですか。

「あのー…僕…男…」

「そう言っても無駄だよ」

「てか完全に女じゃねーか。ちょっと男っぽいならその言い逃れもできるかもしれねーけど」

「いや…男っぽい…ってゆーか完全に…男…でしょ」

「いやいや…」

「おいちょっと待て、コイツ僕って言ったよな?」

「言ったな」

「言い…まし…たよ。なので…ぼ…僕は」

「そういうのもアリだな」

「なんで」

そこで通りすがりのお姉さんが入ってきました。片手にはフライパン持ってました。どっかのお姫様ですか?

「ちょっとアンタら、この子に近寄んないで」

「あぁ?なんだオメー」

「お前は関係ねぇ!帰れ!」

「いいえ関係あるわ!私は全ての女性を救うのよ!」

じゃぁ僕救われないじゃん。なんで女だと思われたまんま話が進むの?

「貴方達はそんなことをして何が楽しいの?」

「フッ…俺たちはありとあらゆる性癖を探し回っている!そのために色んな女に声をかけては様々な性癖に目覚めるのが俺たちの生きがいだ!」

ださ。

「はぁ…なんてくだらないのかしら。なら私の性癖を教えてあげましょうか?」

「なんだ?言ってみろよ」

その直後にお姉さんは男の1人の腕を切り落としました。剣なんて持ってたんだ。

少々興奮しながらお姉さんは次々と男たちを斬り殺していました。ちなみに斬られている側もちょっと笑ってました。きも。

しかし、躊躇なく人を殺すその姿に、少し憧れてしまった僕がいました。

「…大丈夫?」

「ひゃ…あ…はい」

そんなことよりあなた血塗れですよ。

「世の中にはああいう変なのもいっぱいいるから気をつけてね」

アンタも十分変だしヤベーよ。

「あ…あり…がとう…ごございます」

思えば今日はお礼ばかりしてる気がしました。しかし。

「あの…」

「ん?」

「僕…あの…え…ぁ…男…なん…ですけ…ど…」

「え…?そうなの…?……………………アリかな」

うわぁぁぁぁ変態しかいない。変態の村に改名しろよ。

「ちょっと家に来ない?」

「いやですいやです」

思いっきり逃げました。


「へー…探究者の村ねぇ…」

村を出た僕は怖くなったので可愛い妹に電話しました。

「まぁ…話を聞く限りその名の通りって感じだね?」

「どこが?」

「てかなんでお兄ちゃんが女と思われたんだろね…?」

「さぁ…気持ち悪かったよ」

「髪切ったら?」

「絶対いや」

「そういうとこだよ」

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腐れ惑星の選別デイズ 三兎 @Glitch-cat7

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