45.目を離さずに
男たちを縛り上げたついでに、口にも布を噛ませていた<
メドゥサの
「……よくわかんないけど、こっちくるっぽい、かな」
「ええ。やはり最後は、あなたと私で決めるしかありませんね」
グリゼルダが、ふん、と鼻息を荒くする。
「じいちゃん、ちょっと急いで」
「無理を言うな、こんなに乗せおってからに」
<
河面を飛ぶ黒い影が、遠目に見える。風の音も、うなりを上げて近づいてくる。
「あそこに入ったら、俺は飛び降りるからさ。もうちょっとだけがんばってよ。
「……おまえな。じいちゃんの
「細かいことはいいじゃんか」
リヴィオの
リヴィオが水路脇に飛ぶ。
少し危なっかしげでも、どうにかリヴィオが、岸の
「グリゼルダ!」
「お任せなさい、愛しい人」
リヴィオが左足を前に、右半身を引く。両足から広がった光の波紋が、
「視線で誘導します。そのまま、目を離さずに」
「わかった……っ!」
鋼鉄の右腕が空気をふるわせて、槍を
矢よりも速く、鋭く強く、槍が飛んだ。
********************
水路脇に落ちた
それでも、眼光が鋭く水路の先を射抜く。リヴィオが立ち位置を変えて、警戒した。
「大した
「
グリゼルダが
「理解しなさい……あなたの負けよ」
水路脇に降りたロゼッタが、
「あんたの身体には、まだ
『個体の生死は問題ではないと、言いました』
「最後の力をふりしぼったって、あの連中は殺せない。あたしたちが殺させない。食べる肉もないほど
『なぜ、あなたが怒りを感じているのか……理解していません』
ロゼッタが唇を噛みしめる。
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