44.これは怒りではありません
ジャズアルドも一応、ロゼッタの隣に立っている。黒衣の
「お、思ったより、やるわね……
『そちらこそ、見事な力です』
『やはり私たちは、理解し合っています』
「わかりゃしないわよ……っ!」
ロゼッタが、赤毛を乱暴にかきむしった。馬の尾のような一本縛りがゆれた。
「人間がどれだけ、あんたたちを殺して食ってると思ってるの? なんで今さら、あんな
『……なるほど。理解には、段階があるのですね』
『私たちの
「そ、それは……そうかも、知れないけど……」
『個体の生死は問題ではありません。選別処分を含めて、食物として有用であるための死は、
「……」
ロゼッタは、
『対して、あの人間たちが実行していることは、無用な死です。食物としての価値になにも
『うち捨てられたものたちも、いずれ分解され、海の生物種の食物にはなれるでしょう……それを
「あんた、ね……」
『あなたは、私の行動を理解すると考えます。私は、あなたの行動を理解しています』
「生意気なのよ……ホント……」
『私たちは理解し合い、排除し合います。これは怒りではありません』
「ジャズアルド」
ロゼッタの静かな声に、ジャズアルドの、十二条の炎の
一瞬ですべての
「せめてきっちり、
ロゼッタが、まっすぐ
その瞬間、
ジャズアルドの炎の
ぬるぬると
「あはははははっ! 求められたら、
「マ、マトリョーナっ? あんた、なにやって……」
「
「どっちでも良いわよ、
ロゼッタが髪を逆立てる。ジャズアルドが、ため息をついたようだった。
『……あなたの行動は、理解していません』
「あたしはぬるっと理解したわ! 人間も
「冗談じゃないわッ! ジャズアルド! あの変態も
「そんなこと言っちゃって! ロゼッタちゃんも本当は、あんなおかしな人たち死んでも良いし、
「そうだけど正直に言うな! 仕事には
一声鳴いて、
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