25.真っ向勝負だ
リヴィオもグリゼルダも、押して押して、押しまくる。前に出る。打撃の嵐で押し通る。
「俺、あんまり頭が良くないからさ! おまえの気持ちは、わかってやれない。国とか海とか言われても、どう考えて良いかわからない……だから、まかされた仕事をするだけだ!」
鋼鉄の腕が、一瞬だけ、
「おまえを連れ帰る! 母さんの料理を、腹一杯に食わせてやる! それだけだ!」
「君がそんなふうだから、ぼくは……っ!」
両腕を
「うわ、たった……くそ! まだこんな……」
背面装甲の
「けっこうな
「ほんと、変なところで
グリゼルダのぼやきに、リヴィオも全面的に同意する。結局、隆起し続ける
二体だった氷像は一つになって、レナートも
「グリゼルダ。この前のあれ、やるよ」
「巨神像ですか。消耗の激しい、短期決戦の
「
消耗戦に
ただの
「
リヴィオが苦笑して、
「いやあ、本当に機会が来ましたね。お見それしました、
「え……?」
リヴィオが唖然として振り向くと、岸からそれほど離れていない所に、アルマンドとガレアッツオ
「ア……アルマンド、なにやってんだよ! いくらなんでも、そこまで役立たずかよ!」
「リヴィオくん、あの……一応、ぼくは上司で、隣にそのまた上司がいるんですよ。少しはぼくの立場ってものを、ですね」
「知るかよ! ああ、もう! とにかく危ないから、もっと離れてろよ!」
言い捨てて、
リヴィオの踏みしめた
波紋は
光の波紋から巻き上がる
巨大な氷結聖母像に匹敵する機械仕掛けの装甲巨人、鋼鉄の巨神像が
巨神像の両腕が、氷結聖母像の四本の腕の内の、二本を受け止める。他の二本が、巨神像の頭部をつかんだ。
そのまま、吹雪がなお激しくなった。
「もうあきらめてくれ、リヴィオ……っ! 最初から、君の出る幕なんかじゃなかったんだ……っ!」
「そんなことは自分で決める! やりたいことも、やらなくちゃいけないことも、自分で納得して決める! おまえも同じだ! なにがあっても、それを感じるおまえは手の内側なんだ、レナート……っ!」
巨神像の頭部が破壊される。両腕も押し負ける。力で、質量で圧倒される。
リヴィオは、それでも
破壊された部分の再構築を発現させようとした瞬間、
リヴィオの意識に、グリゼルダの意識が
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