21.それは要らない
大きくは国家、地域社会、大人と子供、男と女、小さくは家族、夫婦など、
そうして出来上がった孤独な人間の
必要なのは、攻撃されない立場から、一方的に攻撃できる兵隊だ。
「なるほど。戦術の理想ね」
「国民の支持を失った国家は、弱体化するか、
革命の第二段階は、革命政権の
保護しているはずの国民が、
古い価値観を、ただ古いことで否定した者は、新しい存在を、ただ新しいことで
その
「……そんな、絵に描いたみたいに、
リヴィオが、少し無理をして、肩をすくめた。
マトリョーナが、また
「すでに複数の国で実証された手順です。完全確実とは言えませんが、充分な知識と備えがなければ、危険とは言えるでしょう」
「危険、ね。それはこっち側の主観よね」
ロゼッタが
「あんたはその、革命の第一段階とやらで、ヴェルナスタに騒乱を起こしにきた。いくらロセリア連邦だからって、一度失敗したくらいで使い捨てるほど、
「
「
ロゼッタの追及に、マトリョーナが一呼吸して、遠い目になった。
「海を……見たんです」
「
「はい。祖国ロセリアで海と言えば、氷山の連なる
マトリョーナが
「なんだか、変な笑い声が抑えられず……その場で全裸になって、
「ああ、うん……今までの話で、一番、説得力があったわ。居合わせた人たちも災難だったわね」
「いや、わかんねえって!
「リヴィオ。
「心の自由に目覚めてしまった以上、もう祖国には帰れません」
「かっこいい言葉でごまかすなよ! 迷惑だから帰れよ!」
「一度は、そう思いとどまりましたが……皆さんとの
「え? 俺たちのせい?」
「それで良いわよ、もう」
ロゼッタが、
「つまり、味方を売る代わりに
「交渉がまとまれば、
アルマンドが隣の
「それを、あたしが決めて良いわけ?」
「現場判断を第一とします」
「おまえ、いつもそれじゃねえか」
「方針を決めて部下を見守るのが、えらい人の役割です。良い上司でしょう、ぼく?」
アルマンドが、人の気も空気も読まず、追加の
呼ばれて
「あり合わせで悪いんだけど、あんたたちもお昼、食べるだろ? 外の人たちはどうするか、適当に聞いておいて」
「母さん……その……」
「レナートのことは、なんだかぼやっと聞いてるよ。面倒なことに巻き込まれたみたいだけど、こんなに大勢の人が動いてくれてるんだから、あんた一人が深刻ぶっても仕方ないわよ」
ダニエラがリヴィオに、いつもの笑顔を向けた。
「その上で、あんたにもやることがあるってんなら、たくさん食って
リヴィオは、目の前に置かれた大皿の
手持ち食器を突き刺して、自分の取り皿に
「母さん。もう一皿、もらえるかな」
「あいよ」
陽気な返事をして、ダニエラが
「グリゼルダ、いるよな? それから、ジャズアルドさんも」
「無論です。どんな時でも、あなたの意志に
グリゼルダがリヴィオに抱きつくように、ジャズアルドが無言でロゼッタの横に、現れた。
「人の
「良いだろ。これだけ食い物、あるんだしさ」
「もちろんよ。情報も戦術も、全員で共有するわよ。こうなったら遠慮なく、
ロゼッタも大皿からかっさらうように、自分の取り皿に
こほん、と、マトリョーナが
「では
「それは
リヴィオとロゼッタが、声をそろえて拒否した。アルマンドだけが、残念そうな顔をした。
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