9.頼りにしてるよ
ロゼッタが
「あんたたちに、死んで欲しくないのよ。
「……責任、という言われ方は、
グリゼルダが、ふん、とそっぽを向いた。
「あなたの行動が、私とリヴィオが結ばれる要因の一つになったのなら、むしろ恩です。恩人と認識しましょう。そして、あなたの言葉に一理があることも認めます」
「ありがとう」
ロゼッタの礼には直接答えず、グリゼルダがリヴィオに向き直った。
「私はしばらく休みます。ですがリヴィオ、あなたが望めば、どんな瞬間にでも現れますよ」
「あ、ああ……助かるよ」
「言っておきますが、ロゼッタや他の女性に、妙な気を起こしたら……私の愛の深さを、思い知らせて差し上げます」
「わかってるって!」
「結構です。では、ごきげんよう。リヴィオ、ロゼッタ。ついでにジャズアルド」
からかうような声を残して、グリゼルダが消えた。ジャズアルドも、笑ったような目をして、続いて消えた。
昼下がりの、人影のない校舎裏に、リヴィオとロゼッタだけが残された。最初から
ロゼッタが、
「あんたの前じゃ、失敗して
「そんなこと……昨日だって、あれは、俺が調子に乗ったせいで……」
「お互い、反省しましょ。それが済んだら、作戦会議よ。食べながらで良いから、見たこと聞いたこと、感じたことも、思い出せるだけ教えて。ちゃんとした情報が増えれば、戦い方も確実なものに近づくわ」
リヴィオをまっすぐに見て、ロゼッタが、今度は花が咲くように笑った。
「こう見えて
「ああ……!
リヴィオも、ようやく安心して笑えた。そして安心したら、
ロゼッタはリヴィオの隣に座って、苦笑しながら、穏やかに話を聞いていた。
********************
満月の三日前の深夜、ヴェルナスタ市街の北の
さざ波は、支流である
頂点から市街地を見下ろして、球体の真下に人影が現れた。
「んふふー。さあて、楽しい楽しい地上侵略……
はしゃいだ女の声を合図に、さざ波が、一斉に水路から上陸した。
見渡す限りの、
中には、明らかにヴェルナスタ人とは違う肌の色もある。文字通り、海の果てからの再上陸だ。
『もぉぉぉぉおおおおおあああああああああああああッ』
瞬間、時計塔の
「ごめんっ!
とりあえず街の誰かに
羽根が炎になって、収束する
炎が散って、その勢いで
人影が降り立った
明かりに浮かんで、赤い
「やっと釣られて出てきたわね。あんたみたいな
ロゼッタの言葉に呼応して、夜の市街に
「あら……? あららー?」
ロゼッタが両腕を広げた。
「普通の武器で
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