8.無関係じゃないわ
翌日の学校は、
朝食をいつもの倍は食べて、授業の
昼休み、食べるものはもうない。またレナートに、なにか買ってきてもらおうか、とも考えたが、昨夜もずいぶん心配させたせいか
「仕方ありませんね。
リヴィオの曲がった背中にのしかかるように
今すぐ休んではくれないのか、と思いかけて、背中にめり込む
「そんなことだろうと思ったわ。ほら、これ。ダニエラさんの追加のお昼、持ってきてあげたわよ」
リヴィオが顔を上げるより早く、教室にざわめきが広がった。
他に服を持っていないのか、いつもの赤い
ロゼッタはつかつかとリヴィオに歩み寄って、片方の耳を引っぱり上げた。
「あんたたち二人のことに、あれこれ言うつもりはないけどね。そんなに四六時中、甘やかされたいなら、それなりの
「そ、そんな風に見えてるのっ? 誤解……いや、その。ありがとう、とにかく助かったよ」
「良かったですね、リヴィオ。これで私も、まだまだ休まずにいられます」
「……ごめん。やっぱりちょっと、言うわ。こっち来なさい」
「え……? あいっ、
つまんだリヴィオの片耳をそのままに、ロゼッタが教室を出る。引きずられるようにリヴィオも出た。グリゼルダはリヴィオにからんで、
なんだか立派な仕事をしてるっぽい美人が、リヴィオにわざわざ昼食を持ってきて、
一層大きくなった教室のざわめきは、連れ去られる当のリヴィオにも聞こえていた。
頭を抱えたくなったが、なんかもう、それどころではなかった。
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人影の無い校舎裏の日陰に座らされて、目の前に追加昼食の包みを置かれて、リヴィオは
グリゼルダとロゼッタが、厳しい目を向け合っている。リヴィオは、あれほど強かった食欲が
「とりあえず、あんたはいいわ。それ、食べてなさい」
追い
ロゼッタの言葉通りに食べて良いのか、いけないのか、そもそも自分は食べられるのか、わからないことが多すぎた。
固まっていると、グリゼルダがのしかかっているのと
「あ……ええと、ロゼッタの……」
「ジャズアルドだ」
立っている
「ロゼッタのことなら、心配する必要はない。君は今、自分の体調管理を優先すべきだ。食事を
「あ……ありがとうございます……っ!」
涙がにじんだ。なんかもう、この人に
グリゼルダの目が
その様子を
「見ての通り、負担のかけすぎよ。
「
「無関係じゃないわ」
ロゼッタが目を閉じて、グリゼルダに頭を下げた。
「昨日、あたしは
リヴィオは、思わず食事の手を止めた。そんな風に考えてはいなかった。
むしろ調子に乗って先走った、自分の失敗だと思っていた。だからロゼッタが、怒っているのだと思っていた。
ジャズアルドが、無言で目を
「でもね。こういうことは、起きるのよ。どんなに作戦を考えて、戦術を組み立てても……予想外の危機に
ロゼッタが顔を上げた。
「あたしも正直、
グリゼルダが無言のまま、口を少しひん曲げる。
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