第3話初めてあった子にデートの約束をされたんだが

登校初日に全校生徒の前でやらかしてしまい、不安に駆られその日は眠れなかった。そのまま、一睡も出来ず翌日を迎えてしまった。


「・・・とうとう眠れなかったな。」


ドス、ドス、ガチャ


「おはよう。」


「おはよう陽翔。昨日はぐっすり眠れた?、、、できなかったみたいね」


母親に顔を見られ俺の顔から生気が抜けていることに気が付いたようだった。どんだけ死んだ顔をしてるんだか。


「おはようお兄ちゃん。昨日はうるさかったけど学校でなんかあったの?」


こいつは妹の真島奏である。俺よりも2つ下のとてもかわいい妹だ、、、嘘です。最近は反抗期なのか俺を見ると「うざい」だの「邪魔」と言ってくるので対応に困っている。実際の妹なんてそんなものだ


「何その顔、気持ち悪いから早く顔洗ってきたら」


「言われなくても行ってくるよ」


朝一番に、妹から罵声を浴び、洗面台へと向かった。鏡を見てみると目の下にくまができていた。


「うわ、、、これはひどいな。だけど直すものがないどうするか。面倒だしこのままで行こう。」


「陽翔ー。朝はご飯にする?それともパン?」


「今日は時間がないからパンでいいよ母さん」


すぐさま制服に着替え、テーブルにあったパンを手に取り口でくわえた。時間がないときは食べながら学校に向かうのが習慣になりつつあった。


昨日は初日でやらかしたのに2日連続ともなるとクラスメイトとの関係性もギクシャクするに違いない。ここは慎重に行動しなければならないことは明白だな


食パンをくわえながら走っている姿はハーレム系の主人公の典型的なものだ。がしかし、俺が食パンをくわえることによりことによりその常識をなかったものにすることができるはずだ。これで典型的なお約束事はなくなったも同然。プラマイゼロってやつだ


「はあ、はあ時間ギリギリだな」


?「遅刻しちゃうよ~!」


ドン!


「グハぁ!」


「きゃあ!」


いやいやだれだよプラマイゼロって言ったやつガッツリフラグ回収してんじゃん。

こういう日に限ってぶつかるとか何考えてんだよ神様、こういうのはもうちょっと時間に余裕があるときにしてくれませんかね。そしたらこっちも嬉しいってもんよ。その子の第一印象はショートで髪は薄いピンク色だった。体つきはなんかもの凄い


「だいじょうぶですか?」


?「えへへ~ぶつかっちゃったぁ~こっちもごめんね~」


「そうですか。それじゃあ俺はこれで失礼しますね。」


?「あ!うぅぅ」


嫌な予感がした。この流れはこの子が怪我しているのではないかと。いやいやそんなことはないはずだ。うんきっと擦りむいたくらいだろう。じゃないと遅刻が確定してしまう。


「確認なんですけど、本当に大丈夫なんですよね?」


?「え!?大丈夫だってばぁ~気にしないで先に行っていいよ」


「・・・・」


いや、あからさまに足引きずってんじゃん。大丈夫なわけないよな。遅刻しちゃうけど仕方がない。


「手を貸しますよ」


?「本当に大丈夫だってばぁ~。ほら!普通に歩けるでしょ!・・・・うぅぅ」


今にも泣きそうじゃないか。嘘つくの下手だなこの子、学校まで1キロはあるよな。この距離はまともに歩けなさそうだ


「俺も不注意でぶつかったとこもあるんで、お互い様ですよ。それにこのまま学校に行っても君のことが気になって授業もろくに耳に入ってこないだろうから。」


?「心配してくれるなんて優しいんだね~それじゃお言葉に甘えちゃおっかな~」


彼女の腰に手をまわし、彼女も俺に寄り掛かってきた。いかにも女の子ってくらい柔らかい感触が布越しからでも伝わってくる。やっぱりありがとう神様!


「同じ制服だけど学年は?」


?「1年だよ~君も1年だよね昨日倒れたから印象に残ってるんだ~名前は確か真島陽翔クン!」


「はは、痛いとこ付くな。そうだよ。俺は真島陽翔、君の名前は?」


「私の名前は~姫宮さくらだよ~これからよろしくね~真島クン」


「こちらこそよろしく。」


そんなこんな話ているうちに学校までたどり着いた。授業前に着くことができたので良しとしよう


「俺は1組だけど、姫宮さんはどこのクラスなの?」


「真島クンも1組なんだ~へへへなんだかうれしいな~同じクラスなんて」


マジか、まさか同じクラスだったなんて、このままこの子が怪我のことを話して悪い方に噂されないといいけど


「あのー姫宮さん怪我のことなんだけど、俺のことしゃべらないでもらえるかな。後で何でもするからさ」


「え~なんで~?真島クン私のこと助けてくれたのに?」


「俺初日にやらかしてるから、クラスメイトまで傷つけたって知れ渡ったら悪い

噂が広がりかねないんだよ」


「え~そうかな~分かった!じゃあ私の言うこと1つ聞いてね?絶対だよ?」


「?おう!分かった。なんでも1ついうこと聞くよ」


何か含みのある言い方だったけど、1つくらい聞いても問題はないだろう


「じゃあ、今度の週末私とデートしてくれないかな~?」


「ああ、いいよ・・・ん?」


デートって言った?デートってあれだよな男女がキスしたり、そのあとも・・・なんで俺を誘ってるんだこの子は。


「それじゃあ、楽しみにしてるねぇ~」


そんまま半ば強引にデートの約束をしてしまったのだった。










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俺が選択したラブコメルートは波乱万丈です 青空ハル @YamadaSan7

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