一人きりでもがく青さ
ohne Warum|
第1話
僕らは基本的に迷子だし、わからないことをわかった気でいることで安心したがるものだから、そこに発生した霧を停滞させるために命を削ったりそうさせたりするうちに、自分たちに居場所がないことにようやく気づくものが夢見る豚たちに助けを求めたところで豚は可愛くハムを噛み砕くのに必死なはず。なので僕らは叫びまわって祭りの商店街で帰り道を探し回るし、いくら泣き喚いたところで会いたい人々は既にハムを飲み終えてパストラミに突入。向こうのトンネルまで間に合えばきっと夢から出られると思ったとしても腰までつかる人々の眺めた霧の残骸が行手を阻む。なので君は仕方なくその社会や日常に溶け込み、本来生きるはずだったあの世界やその世界からは身を引いてしまい、何も知らないままに放り出されたそこの妖怪王国に暮らさざるを得なくなる。これでは河の神も困った表情を沈ませるのも無理はない。
別に映画館に向かわせる気があるわけではないので今日はここまで。寿司が待っている。
一人きりでもがく青さ ohne Warum| @mir_ewig
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