幕間 かのひとのなくらしきかたながむれば
自由な鳥だと思っていた。
いつも笑顔で、温かくて、どこまでも飛んでいけそうに身軽だったから。
でも。
あたくし、気づけなかった。
あのひとが寂しさを隠していることに。寒さに耐えていることに。重い柵に囚われていることに。だって、あのひとは全部隠してしまうのだもの。
あのひとは、自由なんかじゃない。自分も傷ついて、縛られて、苦しいはずなのに。それなのにどうして。
―どうして何も言わずに、独りでいなくなってしまうの、墨彦…。
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