エピローグ

 ラッテと別れたベリーヌは、無事に元の街へと戻ってきた。


 そしてベリーヌはその足で、資料館へと訪れていた。

 そこにいたのは、心配そうにベリーヌを迎えるリブリックだった。


「……もう大丈夫なの?」

「何が?」


「いや、泣いて帰ってくると思ったから……」

「もう大丈夫、森の中でたくさん泣いたから」


(……強いな、ベリーヌは)

 笑顔で答えるベリーヌを見て、リブリックは話を切り替える。


「それで、何かあった?」

「あ、もちろんラッテの事なんだけど」


「今までありがとう、ラッテの事で色々助けてくれて」

「僕もラッテに出会えて良かったと思っているよ」


「……いや、僕だけじゃない、街の皆もそう思っているはずだよ」

「そうだね、ありがとう」

 

 気が付くと、2人は資料館の天井を見上げていた。

 この街で暮らしていた子竜のお気に入りの場所を。

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Drake Line 小本 由卯 @HalTea

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