第30話 高野山から熊野三山へ
四天王寺に7日参籠した上人さまがつぎに目指したのは高野山でございました。
南門前の熊野街道は熊野詣の善男善女で賑わっておりましたが、その道ではなく近くの辻から伸びる高野街道を選ばれたのは、菅生の岩屋で弘法大師さまと同様な体験をされ、生命の根源を大宇宙に求める真言密教に惹かれていたからでございましょう。
なれど、高野山は女人禁制でございます。
それゆえ、念仏坊さま、超二房とわたくしは、やむなく「女人高野」と呼ばれるふもとの慈尊院で待機し、弘法大師さまの御影に向かい念仏を称えておりました。
*
やがて高野山を発った一行が向かった先は熊野三山でございます。
日本神話の「根の国」であり、死者の霊魂が
むかしから「蟻の熊野詣」と言われるほど、貴族や御家人から庶民に至るまで、多くの参詣者を集めており、念仏僧にとっては格別に神聖な霊地でございます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます