幽霊

田中 幸樹

第1話 幽霊

男は、恐怖する


闇に恐怖する


一人で闇の中にいる事に恐怖する


幽霊が現れるのでないかと恐怖する



幽霊など居ない


幽霊など非科学的だ


もし、いるなら もう出会っているはずだ


ここも、あそこも人が死んでない所など無いのだから


それなのに


幽霊が現れるのでないかと恐怖する



恐怖は、男を蝕む


そうだ、俺が幽霊になれば


だが、死んだら幽霊になれるのか


いや、普通に死んで幽霊になれるなら


みんな、幽霊になっているはず


それなら、俺でも幽霊に出会っているはず


どうすれば幽霊になって


この恐怖か逃げれるのだ



そうだ、そうだ


食べればいいんだ


幽霊を食べて


俺の中に取り込めば


俺は、生きたまま幽霊になれる


食べられるのか いや 吸い取れば行けるのでは


男は幽霊の恐怖に耐えながら


その機会を闇の中で一人待ち続けた



そして、ついに 


その機会がやってきた


闇の中 震えながら恐怖に怯えていた男は


いつのまにか


真っ白の空間にいた


そして、目の前に幽霊が


想像と違い 金髪の女性だった


そして、透けていなかった


だが 男はかねてよりの計画通りに


一心不乱に食いついた



喉元に食らいついた 


食べれた


血は出ない


さすが、幽霊


食べた 食べた 食べた


そして、全てを食べ終わると


男は、真っ白な空間で安らかな眠りに就いた

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幽霊 田中 幸樹 @takoyaki1226

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