第2話 終わりの火

罪人を焼く炎が燃え上がり、それが襲ってきた時、逃げ惑い悲鳴をあげる群衆の中で、あたしは独り悦び震え身悶えた。

「あの人」へとあたしは手を伸ばす。痛めつけられ罵倒され、美しさも高潔さも失って、罪人として焼かれていくあの人に。


悪い噂を流したのも、証拠を捏造して追手にあげたのも、嘘の証言をしたのも、神様の試練なんかじゃないわ。あたしからの贈り物よ。

優しい言葉も、愛撫も、口づけも嫌なのなら、その逆を与えるしかないじゃない?


あの世でどんなに否定しても覆らない。

あなたは一緒に死んだの。

あれほど拒み続けたあたしと一緒に。

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POUSSIÉRE DE LUNE 北山双 @nunu_k

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