天使の様に羽ばたいて
正義の巨人対悪の巨人。
この戦いに勝利するのは一体どちらか。
「決着をつけるぞ。イゲルド人」
「ストロングマン! お前達は侵略者として商売人として倒さなければならない!」
デッドストロングはブルージョーを6本の腕で引き剥がし、強引に投げ飛ばす。
バックパックで勢いを落とし地面に着地、ビームライフルとシールドを構えるブルージョー。
正義の巨人がイゲルド人に向けて1歩、また1歩進んで行く。
(なにをする気だ? 冷静になれ。私の戦闘力はストロングマンより劣っている可能性がある。ならばそれなりの戦い方で葬ってくれる)
頭の中で整理した考えをまとめ次元の裂け目に侵入し、相手を
だがストロングマンは無理やり次元の裂け目をこじ開け、彼を引きずり出し地面に叩きつける。
「バカな!? ありえない!? この次元を開けることができるのは私と真獣しかいないはずだ!?」
「だから言っただろう。私はお前を倒す者だと」
動揺を隠せないイゲルド人に対しストロングマンは敵の体内を眼でスキャンし、十気の居場所を特定すると瞬間移動で一気に距離を詰める。
そして力強くそれでいて
「2人共、この人を頼む」
「『任せてくれ!!』」
彼女をブルージョーに任せ、戦闘を続行する。
「おのれー! このままでは済まさんぞ!」
すぐに再生するイゲルド人は怒りを爆発させ、口を大きく開く。
「カオスフラッシュ!」
野太い虹色の光線がストロングマンに迫る。
すると冷気が放出し始め、混沌の光が凍りついて行く。
凍る手前で光線を放つのをやめ、鬼火で身を包む。
さらに肉体の形状変え、飛行モードに成る。
「終わらせてくれる! ヒールフェニックス!」
低空飛行でまるで火の鳥の如く突っ込む。
それに対して正義の巨人は筋肉操作で全身を強化、左拳と右拳で火炎を握りしめる。
「エボリューションボンバー!」
繰り出されたパンチのラッシュ。
地球を守るためぶつかり合うストロングマンに、シェルターのテレビに向けて避難民は声援を送る。
「頑張れー!」
「ストロングマン行けー!」
全員の気持ちが1つになった時、黄金の巨人のラッシュがデッドストロングを吹き飛ばす。
地面に叩きつけられ、グチャグチャになった体を再生させる。
「こんな………バカな………私の最高傑作が………私が………負ける………」
「お前がなぜ私達を倒そうとしているのかは知らない。だが目的達成のために様々な悪事を働き、星々を荒らしてきたこと。ストロングマンとして許すわけにはいかない!」
悪魔の研究者は最後の力を振り絞り咆哮を上げ、4本の腕を生成、合計6本の腕で破壊弾を撃ち出そうとする。
「ストロングマン! 私は死んでも怨念として呪い、十字架を背負わせる! そして再び必ず復活を遂げる! お前達8人を媒介としてなぁ! バーストリベンジャー!」
放たれた6発の破壊弾。
しかしストロングマンは避ける素振りはなく、迎え撃つように両腕で十字を切る。
「イゲルド人、だから言っているだろう。決着をつけると。ストロングエイトォー!」
8人の姿をしたオーラが黄金の巨人に重なり、放たれる必殺の稲妻の様な光線。
それは破壊弾をことごとく消し飛ばし、デッドストロングに命中する。
「必ず言ったことは現実になる! 覚悟して待っていろ! 8人の偽善者共ぉぉぉ!」
光に包まれいく彼は再生が間に合わず、悪魔の叫びを上げながら爆散した。
ストロングマンは首を縦に振り、光に包まれたあと元の8人の巨人に戻る。
「キズナ。あなたはどうするんだ? この星に居てくれるのか?」
『滞在は難しいと思うよ』
クロスの居てほしいと言う願望が見え見えの質問に、パレドロンが全員にテレパシーを送る。
「なんですかこの声は?」
『説明してなかったね。僕はパレドロン。地球育ちの怪獣ではあるけど今までクロスを応援してきたんだ』
彼に対し疑問は残るが、それよりもキズナがこの星に居られないと思わせる発言に動揺する英二。
「どう言う意味だよ」
「それは私が語る。君達は十分に怪獣や宇宙人、真獣と戦えるほど成長した。つまり目的を達成したことになる。ストロングマンである以上このままこの地球に居ることはできない。だが今の君達なら任せることができる。頼んだぞ。7人の仲間達」
彼女の目的は達成され、成長を見届け宇宙へ飛び立つ、その姿はクロスには翼を羽ばたかせる天使に見えたのだった。
あれから半年、〈ジライヤ〉の司令室では7人のストロングマン変身者、5人の隊員が揃っていた。
「全員揃ったな。新しい隊員2人がこの〈ジライヤ〉に配属になった。2人共、挨拶をしなさい」
隊員服を着ている2人が前に出る。
「
「同じく難道さんのパートナーに成らせていただく
2人の挨拶が終わり、新生〈ジライヤ〉として戦うこととなる。
アツはジョンの未練を感じつつ、新しい仲間を歓迎し、柴は微笑みながら真を迎えた。
するとサイレンが鳴り響き、怪獣の出現を伝える。
「霧神隊員。乱打隊員。〈ガンマ1号・改〉で出撃」
「「分かりました!」」
英二と十気は司令室を出ると、飛行場に向かう。
「霧神さん、俺は戦う。みんなが笑顔で生活できるように」
「変わりましたね。これからもよろしくお願いします。乱打さん」
成長した背中を追いかける彼女は廊下を駆け抜け、〈ガンマ1号・改〉がスタンバイされている飛行場に到着、2人で運転席に乗り込み出撃するのだった。
ストロングマン ガトリングレックス @GatlingRex
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