ニシシ~その者は裏において裏を討つ~
ゆでそばのきりる
第1話 日本編~ルーレット~
━━この世の中には、ありとあらゆる娯楽が存在する。
━━ゲーム、菓子、性行為。ありとあらゆる娯楽が存在する中で、最も金が動くものといえば皆さん何を思い浮かべるでしょう?
答えはシンプル、ギャンブルです パチンコ?麻雀?そんなものじゃない
億単位で金が動くその世界では常に「dead or alive」
━━そんな世界だからこそ、イカサマというインチキが存在し、人々はそれを許さない。だがこの世にはそれを暴き、それを決して許さない男がいた!いや、少し訂正しよう。許さないのではない。「他人にイカサマをされるのを許さない」男である
今回はその男を紹介しよう。
その名はニシシ!!史上最強の正義にして史上最怯のギャンブラーである!!
「フフッそんなものでなさいますかお客様。運に相当恵まれていないとお見受けします。もうおやめになったほうが良いと存じますが?フフッ」
「う、うるっせぇ!!俺にはまだ金がある!!オメェみたいなやつには俺様の運でギャフンと言わせてやらぁぁ!!」
━━ここにとあるカジノが一つ、その中のあるテーブルで賭けが行われています。このルーレットというゲームにおいてプレイヤー側は完全に運でしか勝ちようがありません。なぜならプレイヤーは色と番号のついただけのボードにチップを乗せることしかできないのですから……
━━しかし……ディーラーに至ってはその限りではありません。ここは政府非公認の裏カジノ。法律もないのでインチキをしないという契約も通じません……ですので
「くそ!!もう金がねぇ!!なぜだ俺は今黒全てにチップを置いた!!それなのにボールは導かれるように赤に入った!!なぜだ!!」
「フフッそれはお客様の運がなかったのでしょうね~フフッ」
━━このディーラー何やら怪しいですねぇしかし証拠もなければ事実もありません。一体どうすればいいのでしょうか?
「たーのもーうー!」
━━おっと新手の客ですねぇ。しかしこの男どこか変な感じがしますねぇ
「どうしたオチビちゃんここは子供が来るとこじゃないよ?フフッ」
「いやーなんかイカサマの匂いがしてさーあ!ニシシシシ!」
━━この笑い方はもしや…伝説のギャンブラー〈ニシシ〉ではないですかねぇ?
「フフッイカサマ?なんのことでしょうか?私はそんなことは行っていませんよ?」
「あっそう?じゃあ一回勝負するよ!」
━━おっとまさか勝負するのか?この伝説のギャンブラーニシシが!
「じゃあ俺は黒の15に賭けるよ!」
「フフッ承知いたしました。それでは回させていただきます」
━━さぁルーレットが回りだしました。おっとこれは案外一回目で入ってしまいそうですねぇ。おっこれは入るのではないですか?!
「ギュルッ」
“ストンッ”
「あちゃー外しちまったかー!惜しかったなー!」
━━何か変ですねぇ、今入る直前でボールが別の場所から引っ張られたような感じがしましたねぇ
「うーん。ねぇねぇディーラーのオッチャン!」
「フフッ、何でしょうか?」
「このテーブルの電気切ってよ!」
”ギクッ“
━━あのディーラー今動揺いたしませんでしたか?もしやあのテーブルやはり仕掛けが?
「何をおっしゃいますかお客様そんなことをされては他のお客様にも迷惑が……」
「このテーブル他のお客さんいないよ!」
「クッ…」
「それともしオッチャンが電気消してくれたら俺こんだけ賭けてあげるよ」
━━あの額は一十百千万十万百万………なんと五千万もあるじゃないですか?!あんな子供になぜそんな額が?
(クッ!いいだろうそんなに賭けたきゃ好きなだけ賭けるがいい!コイツがなくても単なる運なんだ負けるわけがねぇフフッ大金が入るゾォ!)
「フフッいいでしょう、このテーブルの電気をお消し致します。しかし、それがなにか関係あるかと言われたら”NO“とお答えしましょう」
「サンキュー!オッチャン!」
「フフッそれでは始めさせていただきます。何番にお賭けになりますか?!!」
「15!!」
「承知いたしました。フフッそれでは始めさせていたいただきます!」
━━ルーレットが回り始めましたねぇ、しかしこれでは15に入る気配はなさそうですねぇ。さぁ最後まで見てみましょう
「コロコロコロコロコロコロ……」
(ドクッドクッドクッドクッ)
「ストンッ」
「くっ黒の15です……」
「やったー勝ったー!!」
(くそなぜだ、なぜ入った!あの状況からどうやったら15に入るんだ!見えないように15の前に油を塗って滑りやすくしておいたのに!
ん?………なんだあの石は、15の前に小さい石が……まさかあれは!)
「そうだよオッチャンあんたが見に覚えのあることだぜ。俺が電気を消させた理由も全てこれにある!
あんたはテーブルに通っている電気を使ってそれぞれの番号に磁力を発生させ、相手の指定した番号以外にボールが引き寄せられるようにした!それも政府が危険とまで認定した強力な磁石を使ってな!
そして俺はそれを真似ただけ、それだけさ」
「クッ…クソがー!!ぶっ殺してやるー!!」
ギャンブラーが暴力とは感心しないねぇ…………
━━そうしてニシシは再びギャンブルが行われる場所へと足を運ぶ……今度の彼はどこに現れるのでしょう………
第一話解決
ニシシ~その者は裏において裏を討つ~ ゆでそばのきりる @kiriru
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ニシシ~その者は裏において裏を討つ~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます