第10話***最終話***
{コ-ポムラヤマの住人山倉君が犯人を目撃してから急に近隣の取り締まりが強化されて8月17日も私は亮に会いに行っていたわ!
あの日以来亮とは全く音信不通・・・まさか???}
そしてお盆も明けたある日母に聞いたのです。
「ママ亮はまさかとは思うけど9年前のお盆も終わった8月17日家に来なかった?」
「クック来るわけないじゃないの!」
母の余りの動揺ぶりに何かあったに違いないと思い口を荒げて「ママ! ママ! ママ!あの夜何が有ったの教えて!一心同体の亮に何が有ったの?」
「…………」
「言いなさいよ!言いなさいよ!言いなさいよ!」
「樹里いい加減にしなさい!親に向かってその言い方は!」
「何が親ヨ?世間体ばかり気にして亮をいつ虐待されて殺されるか分からない施設に放り込んで自分達はすまし顔でノウノウと暮らして許せない!許せない!許せない!」
「ウウウワァ~~~~ン😭ユッ許して~!ああするしかなかったのワァ~~~~ン😭あんな強姦魔で見苦しい子が家の子だと知れたらあなた達の結婚にだってひびが入るに違いない!どうしようもなかったのよ!
ワァ~~~~ン😭農薬をカレーに混ぜてワァワァ~~ン??殺したのワァワァ~~ン😭」
「なっ何てことするのよ~!ワァ~~~~ン😭私達の為と言いながら本当は自分達の世間体を守る為でしょう!言いなさいよ!あんな酷い施設に閉じ込められ亮は何のために生きて来たの!可哀想に!何とか云ってよ!」樹里は気を荒げて辺りに有る物を床に投げ捨てています。
この家は地下に駐車場が有りリビングから駐車場に行けるようになっているのです。
余りの散乱ぶりに本を踏んでしまい勢い良く転倒して1階から駐車場に滑り落ちコンクリートの土間に勢い良く打ち付け打ちどころが悪く即死だったのです。
「ママ————ッ!」
7月19日の1時頃怒鳴っていた人物が樹里と判明して厳しい取り調べが続いています。
樹里が前日から里帰りをしていたのです。
ですが?亮の事は誰も知らない為に一切口外しなかったのです。
それでも何故?あの不気味な亮の姿は防犯カメラに写らなかったのか?
それは樹里が道の行程をしっかり地図に書いて渡していたのです。
又バスや電車の中では義足を付けフ-ドとマスクで顔を隠して、その為全く気付かれなかったのです。
樹里の取り調べが続いています。
近所に聞き込みの結果親子関係も良好との事、犯行動機も皆無、現場検証の結果事件性は一切無く誤って転げ落ちた事故死と判明!
樹里は母の死を悔んでも悔やみきれない気持ちで一杯ですが、それ以上に何倍も何十倍も両親に対する憎しみが沸々と込み上げて来るのです。
全てを知った樹里は年老いた父一人の生家に赴いています。
そして今までの恨みつらみを吐き出したのです。
「人間の皮を被った慈愛に欠けた世間体とプライドの塊の父と母、元はと言えば自分達が生んだ子供じゃないの!それを恥ずかしいからとあんな酷い施設に放り込んで愛情の欠片も与えず、ただの厄介者扱いにされて闇から闇に葬られクッソ————!憎い!憎い!憎い!自分達があんな風にされたらどれだけ辛いか!憎い!憎い!憎い!」
「ウウウユッ許してくれ————!オオオ俺達だって亮が可愛かったさ!だけど!だけど!お前達の将来もあるから!ワァ~~~~ン😭」
「何が私達の為ヨ?いつまでもお嫁に行けなかったら世間体が悪いからでしょう?」
樹里は一心同体の亮にあのような酷い扱いをした両親を到底許すことが出来ません。
玄関の扉を思い切り強く“”ピシャリ“”と締めて「老いぼれても絶対に世話なんかしないから!!!」と捨て台詞!恨みのこもった目で生家を後に…………。
終わり
LIKE a crab***蟹のような⁂ あのね! @emcay91667
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